情報収集
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ええ、と答えながら髪をなびかせる遠坂。じゃあ次の質問だ。
「なんで俺がイレギュラーで参加した奴だって分かったんだ?」
「白羽君、つい先日校舎内であなたのサーヴァントが他のサーヴァントを襲った時があったでしょ?」
「ああ」
確かにあった。なぜセイバーがレオのサーヴァントを襲ったのかは今に
なっても話してくれないが、まさかそれが原因なのか。
「その時野次馬のマスターから聞こえてきたのよ。襲いかかったサーヴァントのマスターはイレギュラーで参加したマスターだ、って。ちょうど白羽君の顔も遠くからだけど見えてたから、ああ、なるほどねっていう感じかしら」
ということは俺って本当に他のマスターからしたら有名人…。その瞬間、俺の体から血の気が引いてくのが分かった。もし、自分の情報が周りに渡ったらそれを利用されるかもしれない。
『案ずることはないマスター。たかが素性がバレただけだ。たったそれだけでは敵に付け込まれない』
俺の心を見透かしたようにセイバーが声を掛けてくる。励ましのつもりだろうが、一言言いたい。
(元々はお前のせいじゃねぇか!!)
「どうかしたの?」
俺の些細な様子の変化に遠坂が聞いてきた。
「いや、なんでもない」
俺の返答を聞くと、遠坂は少しの間沈黙した。特に何かこっちを疑っているような目でみているわけでもなく、ただポカンとした表情で見ていた。
しかし、それは少しの間だけだった。
「そっ、じゃあ私は行くわね」
遠坂はそう言うと、じゃあねと言い残し、階段の方へと歩いていった。
とりあえずここで突っ立ってはいられない。今はとにかく慎二のサーヴァントの情報を集めなくちゃいけない。
俺は図書館へと急いで歩みを進める。
セイバーはマスターの背中を見つめていた。自分の手首をしきりに気にしながら。
(……)
ライダーとの戦闘の後からずっと続く手首の違和感は消えない。それどころか、微かに鈍い痛みとなって悪化していた。もうただの傷じゃないことはセイバーでも分かった。
このまま放置して戦い続けたら手が使い物にならなくなるかもしれない。そんな可能性もあるのにセイバーは誰にも言うつもりはなかった。
ガリッと歯を軋ませ、白羽の後を追っていくのだった。
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