情報収集
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走った。全然怒ってるじゃん!と突っ込みたくなる気持ちと共にもう二度と寝坊はしないと決意した。
しばらく時間が経ち、俺とセイバーは廊下を歩いていた。目的は図書館で相手サーヴァントの情報収集。慎二が使役しているサーヴァントが本当に英霊なら本に載っている可能性が高いはずだ。
なら本が多く集まる図書館ならと思ったのだが、向かう途中に問題が発生した。
図書館の前に慎二と誰かが話していたのだ。最初は慎二の仲間かと思ったがお互いがいい表情をしていないところを見ると敵同士だということが分かった。
慎二と話しているのは俺とそんなに変わらないくらいの女子だった。赤をモチーフとした服装に短い黒のスカート。左右に結ばれたツインテールがゆらゆらと揺らしながら、慎二の言葉を涼しげな表情で会話している。
「大体なぁ!僕はお前のその態度が気に入らないんだよねぇ!いつも気取っちゃって何でも出来ますよってアピールしてるのが気に食わない!」
「あら、気に障ったかしら?アジアゲームチャンプの間桐 慎二君?」
ここで女子は皮肉たっぷりの笑みを浮かべて慎二に振りまく。その対応にイラッときたのか慎二は女子に人差し指を突き出してこう言う。
「はん、今の内に大口を叩いておけよ!お前なんか僕のライダーがいれば簡単に潰せるんだよね!何しろライダーのあの艦隊がーーー」
「そんなに情報を流しちゃって良いのかしら?」
女子の言葉にハッと自分が何をしようとしていたのか気付いた慎二。
「は、ハンデだよハンデ!何も知らない状態で僕と戦うのは辛いだろ?だからもっといい勝負にしたくてさ、あえて不利な状況を作ったんだよ!それに艦隊っていうワードだけでどこの英霊かなんて正確に分かるわけがない!」
「なるほどね、『ライダーのクラスで艦隊を使う』。考えるなら船とかに乗って遠距離からの攻撃とか船諸共突っ込むとか……かしら?となると、対策は近距離に持ち込んだ戦闘の方がベストね」
女子がブツブツそう言い出すと慎二の顔はどんどん真っ青になっていった。見てるこっちからしてみれば慎二にいい気味だと言ってやりたいところだが、そろそろ言うの止めてあげないと彼が倒れそうで心配だ。
「まっ、精々気をつけなさいよ」
良い笑みで慎二の肩をポンと叩くと後ろを向いた。慎二からしてみれば最大の屈辱だ。自分をとことんバカにした挙句、プライドをズタズタにされたのだ。
顔を真っ赤にし、体を震わせてこう言う。
「う、うるさい!絶対恥かかせてやるからな!」
慎二はそう言うと、女子を追い越して走る。慎二が走っていく方向にちょうど俺がいた。慎二は俺を見つけると、一瞬だけ立ち止まった。鋭い視線をこちらに向けると、再び走り去ってしまった。
慎二が走り去っ
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