情報収集
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翌日。俺、白羽 優は穏やかな眠りの中にいた。ちょうど良い静けさやちょうど良い布団の温もり、誰もが起きようとは思わない環境だ。
こんな日にはずっとゴロゴロしているのが一番だ。
更に深い眠りにつこうとした時だった。
「起きろ、マスター」
ドン!と鈍い音を立てながらベッドから蹴落とされた。その際、俺はゴツンと頭を強く打ち付けた。
「いってぇ……」
頭を摩りながらだるい体を起こし、視線を後ろに立っている人物へと向けた。この時、いくら相手がセイバーだからといって人の起こし方ぐらいはちゃんとしろ、と文句を言ってやろうと思っていたのだが…。
「貴様……今何時だと思っている?」
ゴゴゴ、と効果音が聞こえてきそうな程にセイバーの雰囲気はヤバかった。腰に手を当て、眉間にシワを寄せる彼女はぐいぐいとこちらに歩みを進めて来る。
「あぁ……12時……だね……」
体をセイバーから離れるように後ろへと下がりながら、時間を確認すると既に昼を廻っていた。確かにこれは大変な寝坊だ……しかし、弁護させてもらいたい。人のせいにするようで悪いが、この時間まで寝かせていたセイバーも悪いと思う!
声をかけてくれさえくれれば俺だってちゃんと起きるのに…。それに、散々時間を消費しただけではなく、ましてやマスターにあんな起こし方をしてはたまったもんじゃない。少しはあっちにも非があるのだ。
俺はそう言ってやろうと口を開けかけた時だった。
「なぜ起こしてくれなかったかなんて簡単に言えると思うなよ」
なぜ分かった……。
「オレは散々起こしたぞ…もうウンザリする程に……朝の7時から12時までずっとだぞ!だがお前はまるでオレの声が届いていない。だから最終的にああいう起こし方になったのだ。それでもオレに何か非があるというのか?」
説明しながらセイバーはぐいぐいと迫り、やがては俺の逃げ場はなくなっていた。
「ない、です」
セイバーの話を聞く限り、どう考えても俺が悪い。と言うか、よくこの時間帯まで普通に起こそうとしてくれたな。大概の人は何度か起こした後、諦めるかキレて強行手段をとるのだが、すぐにそれを行わなかったセイバーは案外優しい奴だな、とそう実感できた。
俺の言葉を聞くと、若干不機嫌だがセイバーはこれ以上の追求はしなくなった。
「ごめんな…セイバー」
「別にもう気にしてはいない。お前もそこまでにしておけ」
セイバーは俺から離れ、背筋を伸ばすとこう言った。
「では飯だ。おい、マスター何してる。早く支度しろ」
「おう!」
セイバーの優しさに感謝しながら、俺は身支度する。その時、ふとセイバーが一言こう漏らした。
「今度寝坊したら、本当に眠らせてやる」
背筋に寒気が
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