幼少期編2
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とすると、
「ねえ、何処に行くの?」
「私の親が待っている場所にだ。それがどうした?」
「ええと、ハンカチ。返しとくね。」
赤い髪の少女が私が貸したハンカチを返そうとしたが、まだ涙は出ていたので、
「別に構わん。それはくれてやる。だから涙は拭いて、お前も親の下に戻るんだな。」
「えっ?ちょ、ちょっと。」
私はハンカチを赤い髪の少女に譲る事にして、両親が待つ場所に向かった。
両親の下に戻った後、私は両親と一緒に動物園で行われるショーを見た後に帰宅した。
一誠が帰宅した頃、動物園の中で一誠を探し続けた少女がいた。一誠がハンカチを渡した赤い髪の少女だった。そんな様子を見ていた少女の兄が、
「どうしたんだい、リーア?そんな必死になって、何を探しているのかな?」
「お、お兄様。私、実はラクダに囲まれて困っていたところを助けてくれた人がいたの。
その人が私にこのハンカチを渡してくれたの。これで涙を拭いてって。もう、私は涙を拭き取ったから、返そうとしたんだけど、その人が見つからなくて・・・」
「そうかい、リーア。どれどれ、そのハンカチを見せてくれないかな?」
「う、うん。」
少女が兄にハンカチを渡すと、兄がハンカチに付いていた名前を見つけた。
「このハンカチを渡した子はイッセーと言うのか。多分、イッセーと言うのは愛称かな。」
「イッセーって言うんだ。あの子。でも、あの子は髪の色が綺麗な金髪だったんだけど。」
「そうなのかい?うーん、その場にいなかったから、イッセー君がどんな子なのかは知らないけど、日本人で間違いないと思うよ。イッセー君は多分、帰っちゃたと思うな。」
「で、でも。ハンカチ、返さないと・・・」
「うーん、困ったな。さすがに魔王の権限を使ってイッセー君を探すのは大げさだと言われそうだから、そうだね。もし、次に会ったら、その時に帰せばイイんだよ。」
「本当にまた、会えるかな?」
「大丈夫だよリーア。いつ会えてもイイ様に、ハンカチを既に持ち歩けばイイんだよ。ちょっと、面倒だけどね。だから、毎日綺麗にしておいて、イッセー君にまた会えた時に返せばイイんだ。」
「分かった。お兄様の言う通りにして、毎日綺麗にして、イッセー君にいつでも返せる状態にしておく。」
「じゃあ、帰ろうか。そろそろ、帰らないと父様がリーアの事を心配しそうだしね。」
少女は兄と供に住んでいる場所へと帰っていた。
余談だが、少女の兄は自分の妻である女性に正座する様に言われた後に、自分の立場を放棄して妹と勝手に出掛けていた事を叱られたという。
私が動物園に出掛けた日から、数日経ったある日の事だ。
「ミ〜・・・」
外に出掛けていた時に弱った白猫を見つけた私は、白猫の様子を確認した。白猫
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