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藤村士郎が征く
第12話 唸れ天神!!轟け武神!! 気怠い士郎は、溜息を吐く
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 「スイーパー!お前が大将じゃなかったのか!?」
 「ああ、と言うかそれ以前に、助っ人役は大将には成れないのだよ。それに私が依頼されたのはあくまで、交流戦を盛り上げてほしい、というだけなのさ。だから無理に勝つ必要は無かったのでね。そう言う事で、私はこの辺でお暇させてもらうよ」
 「なんでだよ!?」
 「先に放した通り、今回の事は依頼されたこと・・つまりは仕事だ。ならばこの地にて留まる理由は無い」

 この言葉に百代は激昂する。

 「お前になくても私には有るぞ!さっきの続きを今此処で・・・!!」
 「決着をつけたいのであろうが、私には蚊ほどの興味も無いのでな・・・御免」
 「っ!待てっ!」

 百代の言葉も空しく、そんな言葉と共にスイーパーは消えた。

 東西交流戦、第2夜。百代の活躍により勝を拾えたが、本人はいろんな意味で悔しそうだった。


 −Interlude−


 川神工場地帯で、そんな激戦いや―――第2夜の兵どもの夢のあとを、眺めていた3人がいた。

 一人は天神館館長、鍋島正。
 二人目三人目は、川神院総代兼川神学園学長の川神鉄心と、川神院師範代兼川神学園専任体育教師のルー・イーだ。

 「それにしても、あやつに依頼するとは、ある意味反則じゃないかのう?鍋や」
 「いやいや、あいつじゃねえと、川神百代相手に一人は厳しいだろうと思ってよ」
 「じゃからといって、“真”の世界最強を呼んでくることなかろうに。ほれ見ろい!中途半端になったせいで、残されたモモが欲求不満そうじゃわい」
 「そこは祖父であるアンタが甘やかしすぎて、精神鍛錬を怠らせたのが原因じゃねえか」
 「むぅ」

 痛い所を突かれて、唸る鉄心。
 そこにルーから声がかけられる。

 「鍋島さんハ、依頼したから知っててもオカシクナイケド、学長も知ってらしたんですカ?」
 「そりゃあ、知ってて当然じゃわい。あやつの素性を世界でも知ってる、数少ない一人じゃしのう」
 「あいつの素性を知ってるのは、20人はいないんじゃねえか?」
 「20人以下ですカ!?それは少ないですが・・アの人物は如何して、表舞台に立とうとしないんです?」

 ルーの問いに鉄心は、一拍置いて答える。

 「―――――あやつは本来、“裏”の住人じゃからのう」

 そんな遠い目をして鉄心は、答えるのだった。

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