第12話 唸れ天神!!轟け武神!! 気怠い士郎は、溜息を吐く
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「・・・・・・・・」
笑い終えた後、百代は遂に見つけたと言わんばかりに、鋭い眼光を放っていた。口元は笑みのまま。
「スイーパー・・っていったか!」
「無論、匿名であり渾名の様な物さ」
「フフ、・・・最初の気怠そうな態度とは大違いじゃないか!この狸め!!」
責めているようなセリフだが、声の節々に喜色が混じっており、まるで念願の玩具を手に入れた子供の様だ。
「気怠いと言うか面倒なと言う感情は、変わってはいないさ。私は武神殿と違い、戦闘狂では無いのでね」
「何!?それだけの実力を持ちえていながら、戦闘欲がないのか!?」
「無いな。この仕事が終わったら、とっとと出て行かせてもらうさ」
「なっ!!?」
スイーパーの言葉を聞いた時、百代は愕然とした。
漸く出会えた真なる強敵が、戦闘行為に楽しさを見出さないばかりか、武術家の聖地とすら言われるこの川神から、出ていくと言ったのだ。
(ふざけるなっ!そんな事、そんな事――――)
「そうか・・・だったら、せめてその仮面をはぎ取って、素顔を拝ませてもらうぞ!!」
その言葉と共に、百代はスイーパーに突っ込んでいった。
−Interlude−
今現在、大和を含めた風間ファミリーも他のギャラリーからも、大方の予想を大きく裏切る様な戦況が展開されていた。
川神百代が、相手を瞬殺して終わり・・・と、考えていたにも拘らず、当の武神は苦戦―――いや、一方的に彼女が押されていたのだった。
「あの仮面野郎、一体何モンだ!?」
「本当よ!百代お姉様が、あんなコスプレイヤーに!」
「百先輩があんなにも一方的に押されるなんて・・」
「あのフード、マジ半端ねぇぞ。まゆっち!」
「凄く強ーい!あれ誰だろうね?トーマ」
「確かに興味はありますね?」
「父上は、あれほどの強者を何所で見つけてきたのか」
(やっぱ、あいつ滅茶苦茶強ぇなぁ。あれで非戦闘欲主義者ってんだから、世の中可笑しいぜ)
ギャラリー達は、予想だにしなかった光景に、各々に勝手な感想を呟いているのだった。
−Interlude−
「くそっ!」
「これで15回目だ、武神殿。もう、半分きったぞ」
依然として、スイーパー&天神が一方的に勝る戦況だ。
しかし、百代は毒づきながらも、強者との戦闘に嬉しそうだった。
「こうなったら、ウオォオオオオオ!!」
百代は、雄たけびを上げながら天神の懐めがけて、突進する。
だが、そうはさせないと士郎が回り込んだ後、蹴りを入れて百代を吹き飛ばす。
「くっ!?」
「いぃいいいまだぁああ
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