暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜結界使いの転生者〜
A's編
新たな胎動
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無尽に走る長大なチェーンバインドで空戦の持ち味の大半を殺され、誘導弾も障害物が多くて使えず、必然的に近接戦中心となっていた。

本来近接戦メインになれば遠距離の砲撃中心のミッド式よりも対人戦に特化したベルカ式のヴィータの方が断然有利である。

おまけに、ユーノの様な防御型は圧倒的な突破力で防御ごと粉砕するヴィータの鉄槌と相性最悪なのだが、ユーノは着かず離れずを繰り返して間合いが十分に届く範囲と届かない範囲を行き来し、ヴィータの攻撃を紙一重で躱しながら回避不可能な攻撃は多重多層に展開した障壁で受け止められる。

まさしく相手の持ち味を殺し自分の持ち味を生かす、上手い戦い方であった。

しかし・・・・。

「この〜〜〜!!ちょこまかちょこまかしやがって!!もっと正々堂々と戦え!!」

ユーノのじれったい戦い方に突撃思考の強いヴィータはかなりイライラしていた。

しかし、ヴィータとて馬鹿ではない。

彼女は見た目こそ10歳未満であるが、本来は闇の書の守護騎士プログラムとして古代ベルカの時代から生きてきたのだ。

転生した期間や闇の書の中で休眠していた期間も長いが、活動していた期間は累計で優に100年を超える。

100年分の戦闘経験を元にユーノ狙いはすぐに分かった。

ユーノの勝利条件はヴィータに勝つことではなく、結界内の味方全員を逃がすことである。

故に倒されてはいけずに着かず離れずを繰り返しながら結界の解析と転送準備、おまけになのはの回復作業まで行いながらの戦闘だ。

むしろそれだけの作業をしている相手に闘いに集中しろと言う方が酷であろう。

だが・・・・。

(分かっていてもむかつくんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!)

容姿の幼さゆえの精神年齢の設定のせいか生来の気性のせいか、分かっていても『舐められている』と感じてしまヴィータは残ったカートリッジも使用し、ムキになってユーノに突撃する。

「ぶっ潰れろ!!」
「まずっ!!」

ユーノの方もヴィータをやり過ごしているように見えて実は内心冷や汗だらけなのだが、ヴィータの攻撃が苛烈を極め始め、余裕がなくなってきた。

(仕方ない・・・解析は遅くなるけど、少し無茶するしかない)

腹を決めたユーノ。

突撃するヴィータに対し、前に倒れこむようにしてアイゼンを躱した。

「っ!?」

これまで、ユーノの防御の堅さに意識を持っていかれていたヴィータは空振りの感触に一瞬意識の空白が生まれる。

「はっ!!」

その隙にユーノは腰をひねり回し蹴りをヴィータに放つ。

ヴィータも下に意識が向いたとたんに上から襲ってきた蹴撃に咄嗟にアイゼンで防ぐも衝撃は十分には殺せずに吹き飛ばされた。

「っのやろ〜〜〜〜!!」


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