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藤村士郎が征く
第11話 開かれた戦端! 東西交流戦一年対一年 飛んで火に居る初夏の虫 ムサコッスはフルボッコ

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 9月5日 金曜日

 川神工場地帯で、とある大規模な模擬戦が行われようとしていた。

 その名も《東西交流戦》

 福岡県に、川神学園の学長である川神鉄心の愛弟子、鍋島正が建設した天神館と言う私立校で、川神学園と同じく生徒同士による決闘が認められている弱肉強食をモットーにしたユニークな高校である。

 天神館は、修学旅行を学年全体でとると言う珍しい形式で、今回彼らの修学旅行先が神奈川県と言う訳だ。
 その天神館から、川神学園に対して全体規模による決闘が申し込まれてしまい、鉄心もあっさり引き受けてしまったのだ。生徒の同意も得ずに。

 別に、天神館の館長鍋島正は、師である鉄心にも川神学園自体にも恨みがある訳じゃ無い。
 ただ単に、「如何だ?師匠。天神館(うち)の生徒共は強ぇだろぉ?」と自慢したいだけなのだ。

 しかし、生徒たちは違うようだ。近年では東高西低と言う風潮が現れており、弱肉強食をモットーにしているだけある天神館生徒からすれば、それが我慢ならないらしい。

 故に、この大規模な模擬戦、《東西交流戦》が成立してしまったのだ。

 ルールは簡単。

 一つ、1年同士、2年同士、3年同士の3回勝負に分けて、2回制した方が勝利とする。
 一つ、15歳以上から25歳以下までの年齢制限の中で最大2名までの助っ人を許可する。
 一つ、どれだけ多くの仲間がやられようと、大将さえ取れれば勝利とする。
 一つ、制限時間内までにどちらの大将とも健在であれば、引き分けとする。

 暗黙と言うか当然であるが、五体不満足になるような攻撃および殺害は禁じる。

 これらを守れば、後はやりたい放題である。
 一対一は勿論の事、多対一も許可されているのだから。

 さあぁ!東西交流戦、1年対1年が間もなく始まるぞ!!


 −Interlude−


 先に結果を言ってしまおう。1年対1年は川神学園側の惨敗である。

 助っ人のうち一人を一年大将の武蔵小杉が連れてきたが、負けたのである。
 その助っ人は壁越えとはいかずとも、十二分な強さを持っていたし、剣聖黛十一段の長女でもある黛由紀恵も居たのに負けたのだ。

 理由としては簡単だ。
 二人の内、何方も連れて行かずに、自分が大将という事も気にしないで、単身敵陣に突っ込んでいき多対一でフルボッコに遭ったのだ。
 負け台詞が・・。

 「プッレ〜ミアムのこの私が〜〜!!」

 だ。

 そうして一夜明けた、東西交流戦。2回戦3年対3年が始まろうとしていた。

 
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