幕間其の弐 招かれざる来訪者《序》
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2009年 6月4日 某所
「壊れろ、叶えろ、壊れろ、叶えろ、壊れろ、叶えろ、壊れろ、叶えろ」
今日も今日とて、白と黒に分かたれた巨大な一本の塔に群がる様に、獣たちが吠えていた。
しかし、この獣たちの慟哭は鳴り止むことを知らなかったが、ある変化が現れた。
その巨大な塔が突如発光しだした。
そして、上の空洞部分から八つの光が現れて、周りに居る獣たちのいる地に降りてきた。
獣たちはすかさず、場所を空けたが、慟哭は止めなかった。
そこに、光の中をよく見れば、人型らしき存在が確認出来る。
一つは、どこぞの魔剣士の様な白金の甲冑姿。
一つは、紫色の長髪に、独特な両眼とも封印しているかのような眼帯をしている、美め麗しそうな長身の女性。
一つは、青い長髪の侍。
一つは、白いフードを爪先から頭のてっぺんまで被る男性。
一つは、青い髪に出目金の様な目をした、童話に出てきそうな悪い魔法使いのような恰好の男性。
一つは、全身を鎖の様な拘束具の様な物を装備している、巨躯なる男性。
一つは、黒い服に身を包んだ銀髪小柄な少女。
一つは、目元に黒子を持つ、赤と黄色の双槍を携える男性。
これらは身動き一つ取ろうとしないが、この八つの光の下の魔法陣の様な物が浮かび上がる。
その魔方陣が発光した後に、八つの日からはどこかに消えていた。
そしてそこには、また巨大な塔と獣たちだけが残った。
「叶えろ、壊れろ、叶えろ、壊れろ、叶えろ、壊れろ、叶えろ、壊れろ」
この獣たちの慟哭は何時までも鳴り止むことは無かった。
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