第34話 キャッツ?アイ
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ステイン魔法学院では、昨夜から蜂の巣つついた騒ぎが続いていた。何せ、秘宝の破壊の杖が、盗まれたのである。
教師達は、口々に好き勝手な事を喚いている。
「キャッツ・アイ!世間を騒がしているという怪盗か!魔法学院にまで手を出しおって!随分とナメられたもんじゃないか!」
「衛兵はいったい何をしていたんだね?」
「衛兵などあてにならん!所詮は平民ではないか!それより当直の貴族は誰だったんだね!」
ミセス・シュヴルーズは震え上がった。昨晩の当直は、自分であった。
「ミセス・シュヴルーズ!当直はあなたなのではありませんか!」
「も、申し訳ありません・・・。」
「泣いたって、お宝は戻ってはこないですぞ!それともあなた、破壊の杖の弁償できるのですかな!」
「私くし、家を建てたばかりで・・・。」
「それまでにしていただこう。責任を押し付けあって、この中でまともに当直をしたことのある教師は何人いらっしゃるのですか?」
司の指摘に、誰もが俯いた。
オスマンが小さく舌打ちをしたのは、司だけが気付いた。
良いところを司に持っていかれたのである。
「さて、これが現実じゃ。責任あるとするなら、我々全員じゃ。で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
「我々、生徒だけです。魔法の訓練の後に偶然に見つけました。全員が訓練の後な為、魔力が残っておらず、皆さんに報告したのです。」
司が代表して答える。
「うむ、その判断は正しかろう。ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「それがその・・・、朝から姿がみえませんで。」
その時、ロングビルが現れた。
「遅れて申し訳ありません。朝から急いでキャッツ・アイの足取りを調査しておりましたの。」
「仕事が早いの。ミス・ロングビル。」
「で、結果は?」
「はい、キャッツ・アイの居所が解りました。近在の農民に聞き込んだところ、近くの森の廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです。」
「黒ずくめのローブ?それはキャッツ・アイです!間違いありません!」
ルイズが叫んだ。
「そこは近いのかね?」
「はい。徒歩で半日。車で30分といったところでしょうか。」
「すぐに王室に報告しましょう!王室衛士隊に頼んで、兵隊を差し向けてもらわなくては!」
コルベールが叫んだ。
オスマンは首を振ると、目をむいて怒鳴った。
「ばかもの! 王室なんぞに知らせている間に、キャッツ・アイは逃げてしまうわ!
では、捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を揚げよ。」
ルイズ達が直ぐに杖を揚げたが、教師達は俯くばかりであった。
「そうか。では、頼むとしようか。その上、彼女達は、敵を見てい
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