第四幕その四
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「シャワールームやお風呂場、寮の大抵の場所やおトイレ、更衣室はね」
「人が出入りしますから」
「見付かるからですね」
「そう、だからね」
それでだというのです。
「そうした場所には行かないでね」
「行くとすれば」
カルロスが教授に尋ねます。
「どうした場所がいいでしょうか」
「そうだね、倉庫とかね」
「倉庫ですか」
「倉庫はそうそう人が入らないからね」
「ボタン=ブライトがいても」
「見つかりにくいからね」
だからだというのです。
「そうした場所を捜そう」
「わかりました、それじゃあ」
「倉庫といっても多いけれど」
この大学の倉庫はです。
「そうした場所も捜そう」
「倉庫もですね」
「そこも」
「そう、それにね」
それに加えてだというのです。
「倉庫といっても鍵をかけていてもね、彼は」
「ボタン=ブライトは鍵をかけている場所でもね」
そうした場所でもだというのです、ドロシーが言うには。
「入られるのよ」
「それはどうしてなんですか?」
恵梨香がそのドロシーに尋ねます。
「鍵をかけていない場所にも入られるのは」
「あの娘は手に触れただけで鍵を開けられてね」
「それは凄いですね」
「そして中に入ってね」
そうしてだというのです。
「閉められるのよ」
「だからどんな倉庫にも」
「そう、入られるのよ」
そぷだというのです。
「だからどの倉庫にもいてもおかしくないわ」
「ううん、凄いですね」
「しかも天井裏のことだけれどね」
教授も言います。
「彼は何時どうしてそこに入ったのかね」
「わからないということもですね」
「そう、あるからね」
「何かと色々あるんですね」
「彼はね、まあ何故天井裏に行ったかは」
教授はそのことについては真剣に考える顔で述べました。
「彼に会ったら詳しく聞くよ」
「その時にですね」
「うん、そうするよ」
こう言うのでした。
「その時にね」
「そうですか、そのことは」
「とにかくね」
教授は言葉を続けます。
「まずは彼を捜そう」
「この大学の人気のない場所を」
「そう、捜していこう」
こうお話してなのでした、教授は皆をそうした場所に案内しました。そうしてまずは倉庫の一つを捜しましたが。
そこには彼はいませんでした、そして。
今回はボタンもスカーフもありませんでした、彼の匂いもです。
「しないよ」
「ここには最初からいなかったね」
教授はトトの言葉を聞いて言いました。
「残念だけれど」
「そうみたいだね」
「わかった、それではね」
教授は皆に言います。
「別の場所に行こう」
「すぐにですね」
カルロスが教授に尋ねます。
「そうするんですね」
「うん、いないのなら
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