第1部 ゼロの使い魔
第9章 破壊の剣
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って頭の後ろで腕を組んだ。
「暇だからおしゃべりしようと思っただけじゃないの」
「あんたのお国じゃどうか知りませんけど、聞かれたくないことを、無理やり聞き出そうとするのはトリステインじゃ恥ずべきことなのよ」
キュルケはそれに答えず、足を組んだ。
そして、嫌味な調子で言い放った。
「ったく……、あんたがカッコつけたおかげで、とばっちりよ。何が悲しくて、泥棒退治なんか……」
ルイズがキュルケをジロリと睨んだ。
「とばっちり?あんたが自分で志願したんじゃないの」
「あんたが1人じゃ、ウルキオラが危険じゃないの。ねえ、ゼロのルイズ」
「どうしてよ?」
「いざ、あの大きなゴーレムが現れたら、あんたはどうせ逃げ出して後ろから見てるだけでしょ?ウルキオラを戦わせて自分は高みの見物。そうでしょう?」
「誰が逃げるもんですか。わたしの魔法でなんとかしてみせるわ」
「魔法?誰が?笑わせないで!」
2人は再び火花を散らし始めた。
タバサとウルキオラは相変わらず本を読んでいる。
ウルキオラが本に視線を落としながら言った。
「黙れ。耳障りだ。少しはこの女を見習え」
この女とはタバサのことだろう。
しかし、タバサは何の反応も見せずに本を読んでいる。
ウルキオラの言葉で場はとりなした。
「まあ、いいけどね。せいぜい、怪我しないことね」
キュルケがそういうと、手をひらひらと降ってみせた。
ルイズはぐっと唇を噛んでいる。
馬車は深い森に入っていった。
昼間だというのに、薄暗く、気味が悪い。
「ここから先は、徒歩で行きましょう」
ミス・ロングビルがそう言って、全員が馬車から降りた。
森を通る道から、小道が続いている。
「なんか、暗くて怖いわ……、嫌だ……」
キュルケがウルキオラの腕に手をまわしてきた。
「くっつくな」
「だってー、すごーく、こわいんだもの!」
キュルケはすごく嘘臭い調子で言った。
ウルキオラはキュルケの腕を払った。
一行は開けた場所に出た。
森の中の空き地といった風情である。
およそ、魔法学院の中庭ぐらいの広さだ。
真ん中に、確かに廃屋があった。
元は木こり小屋だったのだろうか。
朽ち果てた炭焼き用らしき窯と、壁板が外れた物置が隣に並んでいる。
5人は小屋の中から見えないように、森の茂みに身を隠したまま廃屋を見つめた。
「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」
ミス・ロングビルが廃屋を指差していった。
人が住んでいる気配がない。
あの中にいるのなら奇襲が一番である。
寝ていて
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