第1部 ゼロの使い魔
第9章 破壊の剣
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それに、あれだけの魔力の持ち主である。
3人を守ってくれるに違いない。
土くれのフーケなどに遅れをとることはあるまい。
コルベールが興奮した調子で、後を引き取った。
「そうですぞ!なにせ、彼はイーヴァ……」
オスマンは慌ててコルベールの口を押さえた。
「むぐ!はぁ!いえ、なんでもありません!はい!」
教師たちはすっかり黙ってしまった。
オスマンは威厳のある声で言った。
「この4人に勝てるという者がいるなら、前に一歩出たまえ」
誰もいなかった。
オスマンは4人に向き直った。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する。
ルイズとタバサとキュルケは、真顔になって直立した。
「「「杖にかけて!」」」
同時に唱和する。
それからスカートの裾をつまみ、恭しく礼をする。
ウルキオラは相変わらずポケットに手を突っ込んだまま無表情である。
「では、馬車を用意しよう。それで向かうのじゃ。魔法は目的地に着くまで温存したまえ。ミス・ロングビル」
「はい。オールド・オスマン」
「彼女たちを手伝ってやってくれ」
ミス・ロングビルは頭を下げた。
「もとよりそのつもりですわ」
ウルキオラはミス・ロングビルを見た。
ウルキオラの視線に気づかずに、ドアノブに手をかける。
(警戒しておいて損はないか…)
4人はミス・ロングビルを案内役に、早速出発した。
馬車といっても、屋根ナシの荷車のような馬車であった。
襲われたとき、すぐに外に飛び出せるほうがいいということで、このような馬車にしたのである。
ミス・ロングビルが御者を買って出た。
キュルケが黙々と手綱を握る彼女に話しかけた。
「ミス・ロングビル……、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」
ミス・ロングビルは、にっこり笑った。
「いいのです。わたくしは貴族の名をなくした者ですから」
キュルケはきょとんとした。
「だって、あなたはオールド・オスマンの秘書なのでしょう」
「ええ、でも、オールド・オスマンは貴族や平民だということに、あまり拘らない人ですから」
「差し支えなければ、事情をお聞かせ願いたいわ」
ミス・ロングビルは優しい微笑みを浮かべた。
それは言いたくないのだろう。
「いいじゃないの。教えてくださいな」
キュルケは興味津々といった顔で、御者台に座ったミス・ロングビルににじり寄る。
ルイズはその肩を掴んだ。
キュルケは振り返ると、ルイズを睨みつけた。
「よしなさいよ。昔のことを根ほり葉ほり聞くなんて」
キュルケはふんと呟いて、荷台の柵に寄りかか
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