第1部 ゼロの使い魔
第9章 破壊の剣
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か」
ルイズはきっと唇を強く結んで言った。
唇を軽くへの字に曲げ、真剣な目をしたルイズは凛々しく、美しい。
ルイズがそのように杖を掲げるのを見て、しぶしぶキュルケも杖を掲げた。
コルベールが驚いた声をあげた。
「ツェルプストー!君は生徒じゃないか!」
キュルケはつまらなそうに言った。
「ふん。ヴァリエールには負けられませんわ」
キュルケが杖を掲げるのを見て、タバサも掲げた。
「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」
キュルケがそう言ったら、タバサは短く答えた」
「心配」
キュルケは感動した面持ちで、タバサを見つめた。
ルイズも唇を噛み締めて、お礼を言った。
「ありがとう……、タバサ……」
そんな3人の様子を見て、オスマンは笑った。
「そうか。では頼むとしようか」
「オールド・オスマン!私は反対です!生徒たちをそんな危険に晒すわけには!」
「では、君が行くかね?」
「い、いえ……、わたしは体調が優れませんので……」
「彼女たちは、敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」
タバサは返事もせずに、ぼけっと突っ立っている。
教師たちは驚いたようにタバサを見つめた。
「本当なの?タバサ」
キュルケも驚いている。
王室から与えられる爵位としては、最下級の『シュヴァリエ』の称号であるが、タバサの年でそれを与えられるというのが驚きである。
男爵や子爵の爵位なら、領地を買うことで手に入れることも可能であるが、シュヴァリエだけは違う。
純粋に業績に対して与えられる爵位……、実力の称号なのだ。
宝物庫の中がざわめいた。
オスマンは、それからキュルケを見つめた。
「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いているが?」
キュルケが得意げに、髪をかきあげた。
それから、ルイズが自分の番だとばかりに可愛らしく胸を張った。
オスマンは困ってしまった。
褒めるところがなかなか見つからなかった。
こほん、と咳をすると、オスマンは目を逸らした。
「その……、ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で、その、うむ、なんだ、将来有望なメイジと聞いておるが?しかもその使い魔であるウルキオラ君は!」
それからウルキオラに目を移す。
「莫大な魔力を持ち、あのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと決闘し、素手で圧勝したという噂だが?」
オスマンは思った。
彼が、本当の『イーヴァルディー』なら……。
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