第1部 ゼロの使い魔
第9章 破壊の剣
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ていなかった。何せ、ここにいるのは、ほとんどがメイジじゃからな。誰が好き好んで、虎穴に入るのかっちゅうわけじゃ。しかし、それは間違いじゃった」
オスマンは、壁にポッカリ空いた穴を見つめた。
「このとおり、賊は大胆にも忍び込み、『破壊の剣』を奪っていきおった。つまり、我々は油断していたのじゃ。責任があるとするなら、我ら全員にあるといわねばなるまい」
ミセス・シュヴルーズは感激してオスマンに抱きついた。
「おお、オールド・オスマン、あなたの慈悲のお心に感激いたします!私はあなたをこれから父と呼ぶことにいたします!」
オスマンはそんなシュヴルーズの尻を撫でた。
「ええのじゃ。ええのよ。ミセス……」
「わたくしのお尻でよかったら!そりゃもう!いくらでも!はい!」
オスマンはこほんと咳をした。
誰も突っ込んでくれない。
場を和ませるつもりで尻を撫でたのである。
皆、一様に真剣な目でオスマンの言葉を待っていた。
「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
オスマンが尋ねた。
「この3人と、ウルキオラ殿です」
コルベールがさっと進み出て、自分の後ろに控えていた3人を指差した。
ルイズにキュルケにタバサの3人である。
通常は、使い魔は数には入らないが、ここではウルキオラの名をあげた。
「ふむ……、君たちか」
オスマンは、興味深そうにウルキオラを見つめた。
少しして、その主人であるルイズに視線を移す。
「詳しく説明したまえ」
ルイズは進み出て、状況を述べた。
「あの、大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。その後、ウルキオラが応戦しゴーレムの股から上を消し飛ばしましたが、肩に乗っていた黒いメイジがこの宝物庫の中に既に侵入していて何かを……、その『破壊の剣』だと思いますけど……、盗み出した後、再生したゴーレムの肩に乗りました。ゴーレムは城壁を越えて歩き出しました。ウルキオラがゴーレムに攻撃し、ゴーレムを吹き飛ばした後、崩れて土になっちゃいました」
周りの人間がほとんどがウルキオラによる応戦であることに気づく。
「それで?」
「後には、土しかありませんでした。肩に乗っていた黒いローブを着たメイジは、影も形も無くなってました」
「ふむ……」
オスマンは髭を撫でた。
(ウルキオラ君が応戦しなければ、この程度の被害では済まなかったかもしれんな…しかし……)
「後を追おうにも、手がかりはナシという訳か…」
それからオスマンは、気づいたようにコルベールに尋ねた。
「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「それがその……、朝から姿が見えませんので」
「この非常時に、どこに行ったのじ
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