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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
四話 お邪魔です。
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れだけ…………かな?」
私はニコリと笑いながら太志君へと話しかける。
◆◇◆
side徹
休日、久しぶりに姉ちゃんと買い物を楽しんでいた。けど、すぐに嫌な時間へと変わってしまう。なぜならクラスの苛めっ子 太志君がやってきたからだ。太志君は身長が僕よりも高く、体格も
ガッチリとしている
(
太っている
)
ため力では絶対に敵わない。そして、彼は僕よりもデュエルの実力が上だ。いつも地区の大会で当たると負けてしまう。この前は運良く彼が出場せずに勝ち残る事ができ、それを姉ちゃんに自慢したがアレはたまたま運がよかっただけだ。
そして、半ば無理やりデュエルを申し込まれ姉ちゃんに助け船を求めるも逆に応援される始末。姉ちゃんに組んでもらったおジャマデッキを唯一の心の支えとしてデュエルを開始した。そして、最初の手札を見たとき、確信した。"彼に勝てる"と……。そして、途中スキドレによる妨害があったものの《一撃必殺 おジャマ・デルタ・コンボ(姉命名)》を決めて勝つことができた。そして、太志君から負け惜しみの言葉でも聞けるかと少し期待していたらとんでもないことを言い出した。
インチキだ!と……。
即座に言い返したかったが、行動に移す勇気が出なかった。デュエルでは勝てても、ケンカでは勝てない。反論すれば逆ギレして殴ってくるだろう。それが嫌で何も言い返せなかった。だけど、途中言いたい放題言っていた太志君が悲鳴をあげた。そして、太志君の視線を辿り、姉ちゃんを見るとゾクリと悪寒を感じた。そこには、いつもの姉ではなく、修羅がいた。
姉ちゃんは肝が冷えるような低くゆったりとした口調で太志君へと話しかけた。その時の表情は一応笑顔を作っているものの、目がまったく笑っていない。こんな姉ちゃんは初めて見る……。
◆◇◆
「弟の友人関係に口出しとかあまりしたくないけどね…………。流石に私でも、二つほど見過ごせない事があったよ。」
人差し指と薬指の二本を立てて、太志君へと見せる。
「デュエルを賭け事に使ったり、ケンカに使ったり私に関係ないことだから構わないけどね、負けたからには潔く負けを認めようか?負けたのを相手のせいにするのはかっこ悪いし、それにマナー違反だからね。」
諭すように、それでいて威圧し反論を許さないような口調で話す。太志君は縮こまりながら、はい……と小さく答える。
「それで二つ目。………………あんまり私の弟を馬鹿にしないでくれるかな?男の子だから多少のケンカやいざこざは見逃してあげるけど、度が過ぎると……
………………潰すよ」
すっと目つきが鋭くなり、太志君を睨みつける。蛇に睨まれた蛙のようにガクガクとその場で震え動けず、ただ首をこくこくと動かすだけだった。
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