暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO編−白百合の刃−
SAO19-黒氷の涙 
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われたままで、怯え続ける。心を鬼にして、覚悟を決めたはずなのに……。
 結局、私の覚悟は安物だったんだ。私は人を殺したくない……だから、ストロングスを殺せないでいる。
「生きたいなら……しょうがないよね」

 結局、私の覚悟は安物だと自覚したので、ストロングスを逃がそうとした。ドウセツのことは私でなんとかしよう。最大の原因であるストロングスはオレンジプレイヤーになったから血聖騎士団にはもういられない。私が側にいれば、少しでも安心するだろう。いろいろと課題はいっぱいになるけど……私は覚悟ではなく、選択を決めた。
 結果的にドウセツは助かった。それだけで良いとはいえないけど……少なくとも、自分の覚悟を無理にでも通して、逃げ出した私よりも進歩したのかな……。
 わからないや。何が正解で、何が悪いのかも……。

「私、ストロングスを許せない」

 これより選択を実行する。

「私の気が変わらないうちに去ってね」

 といっても、ストロングスを逃がしてドウセツを助けるためだけどね。
 私はストロングスに背を向け、ドウセツの傍へと歩み寄った。
 転移結晶しなかったから持ってないだろうと思って、私の分の転移結晶を渡そうとした時だった。

「キ、キリカ! 後ろ!」
「甘えんだよ! バ」
「バカ」

 左足を軸に、体を180℃に回転して、ストレングスの両手斧が縦に空振り、薙刀の刃が胸に食い込みそのまま前に振り斬った。

「なっ……」

 何故、最初に戦った時と同じく目を見開いているの?

 忘れていたの?

 最初に戦った時、不自然な回避をしたことを自ら知ったんじゃないの? まさか、あれが偶然で運が悪かっただけだと思っているの?
 わからないか……自分の命を優先よりも、私を殺すという殺意に囚われた外道に、戦場の状況なんてわかりはしないか。
 私も甘いけど……ストロングスも甘いわね。

 自ら、命を落とすかもしれないという選択を確認せずに、誤った選択に実行するなんてね。

 私の一振りでストロングスのHPバーが無くなった。これより、ストロングスは消滅して、現実世界と同様に死ぬことが確定した。
 ストロングスは私に向き返り。憎々しげに怒号混じりに叫んだ。

「貴様、貴様アアアアアアッ!! 貴様がいなければドウセツは殺せたんだ! あんな女のどこがいいんだよ! ふざけやがって、ふざけやがて、この……白のしに……」

 言い終わらないうちに、ガラスの破片と変わっては崩壊し飛散。天へと舞って彼は消滅した。

「……言ったよね」

 飛散する欠片がストロングスだと思い、自分でも恐ろしいくらいに低音でささやいた。

「私の気が変わらないうちに去ってね」

 これで私は人を殺してドウセツを救った。
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