SAO編−白百合の刃−
SAO19-黒氷の涙
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つけていた。
「説明長くなるから、短めに話すと…………どうして、あんたとクラディールだけ無事なのかを疑問に思って駆けつけた」
「そ、それだけの理由でか?」
「それだけでも十分だと思うけど」
ドウセツを助けるためなら、全力を尽くす。それだけだよ。
「だ、だけど。お前はグランザムにいたんだろ!? なんでいるんだよ! たった数分でつける距離じゃないだろ!」
ストレングスは私が来ることを想定しなかったようだ。当然だ、そもそも私が駆けつけてくることなんて普通はありえないんだ。だから、ストロングスは想定外の事態に焦りと不安の顔が伺える。
「距離なんて関係ないよ。大切な人の命がかかっているんだから。それにドウセツが“たすけて”って聞こえた……だから私は間に合わせたの」
「なっ!?」
そうだ、聞こえたんだ。
たすけての一言。私は確かに聞こえた。聞いたのに聞いたふりをして見過ごせないし、聞いたのに助けられないなんて、そんなのお互いに嫌じゃない。助けを求めているのに、なにもできなかったことは私は嫌だから、本当にドウセツをひとまずたすけられたことにホッとしている。
でも、まだドウセツを助けていない。
「これから私はドウセツを助けるわ」
そう。助けるためだったら……ドウセツを助けるためだったら、
「だからストロングス……邪魔しないでね」
重い罪を背負う覚悟もできているわ。
私は一旦、ドウセツの方に向き返る。そしてしゃがんでからドウセツの頭をポンポンと当てた。
「待っていて…………終わらせるから」
返答はなかった・だけど、頷いているような気がした。
「貴様が……貴様がこなければ!! ドウセツを殺れたのに……邪魔をするなあああああ!!!!」
後ろを向くと、獣のような叫び声を上げ、両手斧で叩きつけるように振りかぶってきた。
ドウセツを殺すって?
「その言葉、軽々しく言っているんじゃねぇよ!!」
「ひっ」
ストロングスに勢いが無くなる。怖気ついて体が鈍っているんだろうけど、ストロングスは邪魔をしたからには容赦はしないし、私は心を鬼にする。
「ストロングス」
「ぬおぉぉぉぉ!!」
冷静さを取り戻せず、恐怖に負けない気持ちで無茶苦茶に両手斧をブンブン振り回してきたのを最小限に回避してから、薙刀を大きく振り上げる。
「罪ってね、思っている以上にとても耐えきれないくらい、重いのよ!」
そして私はストロングスに薙刀の連撃を繰り出す。それはもう、相手が休む暇も与えずに確実に斬り刻んでいき、HPバーは赤になり危険域に突入したところでストロングスを突き飛ばした。
仰向けに倒れたストロングスの顔面に、薙刀を突きつける。
……あと一撃
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