SAO編−白百合の刃−
SAO19-黒氷の涙
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ことが一番大事なのを否定するようなものだから、想像以上に辛く、それも何度も痛み出す度に悲しむなんて、荷が重すぎる。
私が死ぬことで、キリカが崩壊しないかが……心配だ。
死ぬ直接で人の心配をして後悔するなんてね……。
私も…………バカなのね。
バカで……どうしようもない人なんだわ。
「おぉ、おぉ! なんだ、やっぱり怖いんだなぁ! そうだよな!! フハ、フハハハハハハハ!!」
……?
なに、急にバカみたいに笑っているのよ。サクッと片付けるんじゃないの? それとも余裕の表れ?
死ぬのが怖いとか、貴方にそんな顔した覚え……。
「――――っ!」
えっ……なに…………これ……は……。
そんな、そんなはずない。
いつ、
いつ! こんな感情が起こったのよ!
否定したのにどうして……ッ!
「なるほど氷っていうのは、溶けて水になるんだったな……氷のような貴様は今」
「ち、違う!」
「違くねぇ! ドウセツ、お前な…………」
「違うわよ!!」
「今、泣いているんだぜ!! 氷が解け、水になるようにな!」
そんなはずない。
そんなはず……あるわけない。
そんなはずないって……信じたかった。
信じたほうが良かった。
でも、私がどんなに否定しても、ストロングスの言葉は紛れもなく真実だった。
ここに来て、ようやく死の恐怖の意味がわかったのだから。それに私は泣いてしまったんだわ。
冷静に、冷酷で、常に自分は弱さを見せないようにしていた。だけど、どんなに冷静になっても恐怖は冷静よりも、冷酷よりも、冷たくて、痛くて、怖くなった。
耐えられなかった……弱さ。誰にも見せたくない“もう一人の私”が現れた。
「どうだ、ドウセツ? 今になって死にたくないだろ? それともさっきみたいに抵抗して『殺せば』って素っ気なく言うのか?」
彼の言葉を否定したかった。いつものように冷静な態度で返せば彼の思い通りにはならないはずなのに……。
今は口に出さないと不安で仕方がなかった。それほどまでに死と言う本当の恐怖を剥き出しになった私は、弱さしか残ってない。
冷静と言う名の強い武器を外した、“弱い自分”の姿が出されてしまった。
「う、うるさい!! 聞くな! 見るな! 近寄るな!」
声を荒げて抵抗した。しかし彼にとっては痛くもなくむしろ爽快だった。
「ハハッ! 最高でムカつく奴だよ、貴様は。だけどなぁ……お前を殺さないと今後がきついんだよ。残念だが、ここでおさらばだな。最高だよ、貴様の泣きを見られてよぉ!! でも残念だったな、貴様はここで一人寂しく死ぬんだよ!! ザマネェナァァ――!!!!」
最期のとどめと言わんばかりに、両手斧を振り上げてお
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