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連邦の朝
番外編B 公爵と翼持つ者
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「別に、構わんよ。私一人の方が、話しやすくなるだろうよ。なぁ、翼人?」
エスターシュの威圧に、心が折れかけた翼人は、体を強ばらせる事ぐらいが抵抗だった。

「お祖父様も、そう言っているのに…お母様…。」
アミアスの言葉に、ヴィヴィアンは従うしかないと思い、頷いた。

三人が、見えなくなる頃にエスターシュは翼人の方を向いた。

翼人は、魔法を使おうとしたが、発動しない。

「翼人、不思議そうな顔をしているな。魔法が使えないからかな?」
エスターシュは、人の悪い笑顔を見せた。

殺されると直感が示し、翼人は体を硬直させた。

「おぉ、そんなに驚かんでも、先程からお前に危害を加えるつもりは無いと言ってるだろ。」
エスターシュは懐から出した干し肉をかじり、笑ってみせる。

「食べてみるか?」
エスターシュの更なる一言が、彼女に更なる恐怖を与えた。

sideヴィヴィアン
山道を下っていった。

「ところで、君たちは吸血鬼だが動物や虫を操れたりするのか?」
ヴィヴィアンの問いに、ダルシニは答えた。

「分からないです。」
ダルシニに続くようにアミアスも答えた。

「あの翼人の人に聞いたら分かるかも。」
ダルシニのマントの端を弄りながらヴィヴィアンを見据えていた。

「変身したり、コウモリに成れないのか?」
ヴィヴィアンは、さらに詳しく聞いた。

「お母様、魔法ですか?それ?」
「何なんだろ?姉様。」
二人とも何の事か分からないようだった。

そんな、三人が話していると麓の村に着いた。
村はブリティッシュ商会の攻勢と塩の密売により、教会や地元商会の減退により物流は衰退していた。

「これぐらいでこの値段か?塩は安いが…。」
ヴィヴィアンは、寂れた店で交渉していた。

「最近、何故か定期馬車が減らされたんだよ。何でも、都の商人様が言うにはここらの貴族様が北の領土の馬車鉄道とやらに対抗して、南部貴族連合なんて言うのを立ち上げて馬車鉄道とやらを開発するのに馬を使ってるかららしいぜ。」
なに考えてるのかねぇお貴族さまはと商店のオヤジは言い終わると、で買うのかいと続けた。

(そんな事が…陛下にお伝えせねば。)
後日ヴィヴィアンの話でガリア南部に強烈な情報統制がされており、連絡員等が逮捕・殺害された事が明らかになった。

「では、栗とソバを二袋、塩一袋、干し肉二袋、ハシバミとか少々貰おうか。」
ヴィヴィアンの注文物をパパっと詰めてオヤジは

「あんた、貴族様かい?こんな良い袋何か使っていて。」
6スゥと1ドニエの料金と言いながらオヤジは聞いた。

「昔、いろいろあってな。」
ヴィヴィアンの言い方に、オヤジは貴族様は平民なんておもちゃだも
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