第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
リー
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!?」
いのとサクラがとっさに振り返ると、そこにはナルトとシカマルが立っている。前方に視線を向ければ走って駆けつけてくる砂の忍びと、そして遠方の屋根の上に立つ黒に赤い雲のコートを羽織った二つの影も見えた。
「……リーさんと、我愛羅って人が……っ」
指差した方向に視線を巡らしたシカマルとナルトが、目を見開いた。
+
「――なんじゃっ!?」
伝説の三忍の一人、自来也は勢いよく振り返った。音のした方向は木ノ葉病院だ。もくもくと土埃が立ちこめ、何人かの少年少女が壁にあいた穴から下を見下ろしている。
「あれはナルトのいる病院……!」
試験が終わった翌日。ジャシンと名乗る男の情報を聞き、暁についての詳細を調べようと自来也がやってきたのは木ノ葉だった。「万華鏡の同胞殺し」。それを聞いて自来也がまず連想したのが、うちはイタチだったからだ。
その時であったのが、エビスという上忍と共に修行をしていたナルトだ。暁への情報収集に忙しいのに(ついでに、女湯の覗き見に忙しいのに)、修行するようせがまれた自来也だが、自分の弟子の息子に頼まれては(詳述するなら、おいろけの術でナイスバディの美女になった弟子の息子に頼まれては)断れるはずもなく、自来也は蛙の口寄せを教えていたのだ。その際、大蛇丸がかけたらしい封印式を発見し、それを解き、いささか過酷な修行をさせたわけだが――結果彼は巨大な蛙の召喚に成功した。が、チャクラを切らして病院に入院したという次第である。
自来也は病院を目指して走り出した。
+
「なんだ、今の音は?」
「木ノ葉病院からのようですね……」
イタチの呟きに、鬼鮫は眉根にしわを寄せながら答えた。宿の屋根の上に移ってみると、土埃をもくもくとあげる病院が視界に入る。宿を慌てて飛び出した三人組が目に入った。
「く……っ!」
「おそらく、我愛羅で間違いないだろうな……」
「い、急ぐじゃんっ!」
担当上忍らしき砂忍、大きな扇を背負った少女に黒装束の少年。我愛羅って、確か一尾の。鬼鮫のそんな呟きを耳にしながら、イタチは目を細め、告げた。
「……俺たちも、行くぞ」
「ええ。わかりました」
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「何だっ、今の音は!?」
「木ノ葉病院からよっ!」
ハッカの語る二足歩行の鮫についての話にいい加減聞き飽きていたアスマはいきおいよく立ち上がった。ハッカのその話につき合わされていた紅にガイも立ち上がり、長々と語っていたハッカも立ち上がる。目配せをしあった四人は一斉に外へと飛び出し、木ノ葉病院を目指した。
+
「――カブト」
「はい。木ノ葉病院を見てきます」
駆け去るカブトの足音を耳にしながら、大蛇丸はパステルカラーの風車を取り上げる。
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