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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
リー
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を突き破り、下の病室に住んでいたらしい人が悲鳴をあげるのを聞いて、口を噤んだ。どういうわけかナルトの声そっくりだったが、あまり深く考えないことにした。

「じゃあ、行きますよッ!!」

 瞬間、我愛羅の視界からリーが消えた。
 目の前にリーが飛び降りたかと思った次の瞬間に、背後から気配。砂が咄嗟に我愛羅を守るも、それは以前とは違い、リーの拳に突き破られる。かと思えばリーの姿はまたもや消失し、かわりに背後から気配を感じた。今度は後ろか、と思って振り返ると、対応に遅れた砂が弾かれる様子だけが目にみえる。更に右から飛んできた拳が目に見えない速度で引っ込み、もはや今の我愛羅には、リーの姿が全く見えなくなっていた。見えるとしたら、時折視界でちらちら閃く深緑だけだ。
 リーが飛び上がった。我愛羅がリーの姿を探しているうちに、リーのかかと落しが我愛羅の後頭部にヒットする。顔を上げた我愛羅の右頬には、血をにじませた傷跡。

「青春はぁあああ、爆発だぁああああ!!」

 向かってくるリーに向かって砂を襲い掛からすも、前方からリーは既に消えていた。かわりに後方に飛んでいった砂が弾かれる感覚。前方の砂がまた突き破られ、深緑が一瞬視界をよぎったかと思いきや、次の瞬間には拳が我愛羅の頬に炸裂していた。吹き飛ばされて壁にぶつかった我愛羅がゆっくりと起き上がり、砂がそんな彼の足元に集う。ぽろぽろと、彼の顔から何かが崩れた。砂の塊だった。

「フウウゥウウウ……」

 見れば我愛羅は、既に先ほどの我愛羅ではなかった。
 体中に覆っていたらしい砂が剥がれ落ち、目は血走り、口元には残虐且つ化け物じみた笑顔が浮かんでいる。その姿に、はじめは思わずマナとの戦いで彼の言った“生まれながらの化け物”という言葉を思い出した。
 久々にあった強い忍びを、リーを見て、彼の中にいるものが疼き始めていたのだ。
 ――こうなったら、砂のガードの上から、強烈なダメージを与えるしかない……ッ
 そしてそれをするなら。あの技しかない。リーは意を決して、両腕に巻いた包帯を解いた。

「――覚悟ッッ!」

 高速で移動したリーの蹴りが何度も我愛羅に決まり、一拍遅れた砂がリーを追う。我愛羅を残り少ない窓ガラスの外に蹴り飛ばし、そしてリー自身も窓の外へと飛び立った。それを追う砂がどん、と壁を破壊し、爆風にサクラたちは体を竦める。ぽっかりと穴を開けた壁のほうへ近づいていき、サクラたちは外の様子に視線をめぐらせた。
 包帯がぐるぐると我愛羅を固定し、そしてリーは我愛羅の体を掴んだまま、地面へと直下した。

「――表蓮華ェエッ!」

 どしん。
 病院を土台から揺るがす強烈な衝撃が地面から走り、土埃が立つ。

「おい、どうしたんだ!?」
「何いきなり錘落としてんだってばよ
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