一時の幕間
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アーチャー視点
決着した二つの間に、干渉を遮断する障壁が現れた。それと同時に、敵陣営の二人の身体が少しずつ黒く染まっていく。
「どうやら、こちらの負けのようだいや、だが余りにも先ほどの現象は不思議だ。よければ、教えてはもらえないだろうか?」
敵のマスター、ダン・ブラックモアが質問を投げかけてくる。先ほどマスターが投影した鞘についてだろう。英霊でもない魔術師が宝具を防いだのは、
(やはりこの世界でもこの魔術は異端か………)
ならばここ消える人間いえど種を明かすこともなかろう。
「…………生憎、私の口から話す気などサラサラない」
「ふむ。そうか…………」
ダン・ブラックモアも察したのか納得をしたように頷いた。戦いに身を置いていただけあって理解が早い。運がなければこちらがやられていたかもしれん。
「おーい旦那、俺の宝具が防がれたのにすぐに諦めるって酷くないっすかね?」
干将・莫邪の連撃を受けたくせに随分と余裕が在りそうなロビンフッド。そんな先ほどまでと変わらない軽口に、ダンブラックモアは苦笑する。
「敗者は勝者には何も要求ができん。わかるなロビンフッド」
「へいへい、わかってますよ。ああ、アーチャーのくせに剣を使って倒すやつもいれば英霊の宝具を防ぐ魔術師。赤いやつらは可笑しな奴らだこと」
「否定はせんぞ。私たちはイレギュラーだからな」
こちらが肩をすくめるとロビンフッドは顔をしかめた。その後、独り言のように呟きながら目をふせる。
「いけすかねえ奴だな。本当に…………あの女とは大違いだ」
(…………あの女?)
あの女といったかこの男。口ぶりからして誰かと比較をしているな……………そういえば、先ほども【赤い奴ら】といったか。
表現としては間違ってないが、今は目の前にいるのは私達二人だけ。この場合、赤い奴といえば済むはずなのに何故そんなこと…………。
「………………あの女とは誰だ?」
「はぁ?何言って…………っ!?」
私の質問に応えようとした瞬間、ロビンフッドは頭を抑えのたうちまわる。
「アーチャー、何が………あった」
敗北の判定になったことで既に分解されかかっているダンが駆け寄る。既に頭や手の一部が分解され、見るに堪えない姿になっているが、その様子はまるで友を心配する人間の様子だった。
「なん………だよ…………なんだよこれはよっ!!!???なんでこんなことに………」
「むっ、これは………」
頭を抑えながら叫ぶロビンフッド。突如緩やかに全身は真っ黒に覆われていったが急激に分解されてしまい、続くようにダン・ブラックモアとともに姿が消えてしまった。
(1回戦とは明らかに違う消えかただ)
考えられる原因はこの勝敗が
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