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『ある転生者の奮闘記』
TURN12
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リーポッポ五世の艦橋でマリー・ブリテンはそう呟いた。

 マリー・ブリテンはネルソンの後を継いでエイリス東洋艦隊司令官に就任していた。これはマリー・ブリテン本人からの願いだった。

「本国でじっとしているわけにはいかない」マリー・ブリテンはそう思い、姉であるセーラ・ブリテンに東洋艦隊司令官就任を直訴した。

 セーラ・ブリテンも最初は就任を拒否したが、結局は妹の熱意に負けて司令官就任を承諾したのである。

 マリー・ブリテンは戦艦三、正規空母一、防護巡洋艦二、駆逐艦八隻を従えてアラビア星域に駐留していた。

 しかし、ベトナム星域が占領されるとマリー・ブリテンは直ぐに動いた。

「占領直後なら日本軍も油断しているはずだ」

 マリー・ブリテンはそう判断してアラビア星域を出撃してインドカレー星域を経由してベトナム星域へ侵入したのである。

「空母は攻撃隊を発艦させて向かってくる敵艦隊を攻撃だよッ!!」

 正規空母アークロイヤルから攻撃隊が発艦していく。数は約三十機と少ないが奇襲攻撃なら十分だった。

「前方から敵艦隊接近ッ!!」

「数はッ!!」

「巡洋艦級が四隻です」

「……日本軍は余程慌てているのかな?」

 マリー・ブリテンは少しホッとした感じである。

「(このままなら奇襲は成功する。此処で日本軍の進撃を緩めないとアラビア星域以降が大変になる)」

 マリー・ブリテンはそう思う。

「攻撃目標を敵巡洋艦にしますか?」

 副官がマリー・ブリテンに聞いた。

「……そうだね。まずはその四隻から血祭りにあげよう」

「アイサーッ!!」

 攻撃隊は進路を変更して第四戦隊に襲い掛かった。

「敵攻撃隊接近ッ!! 数は約三十機ッ!!」

「対空ミサイル発射ァッ!!」

 四隻から一斉に対空ミサイルが発射されて敵攻撃隊に迫る。

「全機散開ッ!!」

 敵攻撃隊は慌てて散開するが回避に間に合わない機が爆発四散する。

「主砲拡散モードで撃ェッ!! 対空レーザー砲も撃ェッ!!」

 第四戦隊は一斉に対空砲撃を開始する。

「な、何だこの対空砲火はッ!?」

 敵攻撃隊隊長が驚くが、隊長機もパルスレーザー砲に撃ち破られて撃墜された。

 隊長機を落とされた攻撃隊は慌てて味方艦隊に引き返したのであった。

「半数も落とされたのッ!?」

 部下からの報告にマリー・ブリテンはそう叫んだ。

「……なら艦隊決戦でやってやる。空母は後方へ退避。戦闘用意よッ!!」

 かくしてエイリス東洋艦隊は艦隊決戦の準備に入った。








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