第四話
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(戦闘民族高町家か・・・)
葵は、内心の焦りを押し隠し、出来るだけ相手の警戒を解くように話しかける。とらいあんぐるハートなどで語られる高町家の戦闘能力がこのリリカルなのはの世界でも適用されているなら、パッチによって超人となった今の葵でも、生き残れるかは怪しいからだ。
そもそも、『運動神経が悪い』なのはでも、『魔法戦闘』に限って言えば全管理世界でもトップクラスなのだ。高い反射神経と魔力量、空間把握能力に戦術眼。この一家は、こと戦闘にかけてはチートである。そういう認識でいないと、足元を掬われるだろう。
(確か、防御無視技とか、目にも映らない程の高速移動技とかも持ってたはずだよな・・・)
葵は前世で、ゲームはやったことないが、とらいあんぐるハートのOVA版を見たことがある。もし敵対した場合、相手がこちらの命を刈り取る目的で襲って来たなら、葵も『進化の階段』を昇らざるを得ないだろう。パッチを手に入れてからの一日は、パッチから力を引き出す訓練に費やしていた。そのため、未だ自分の固有能力を使いこなす事が出来ていない。固有能力も使いこなせないただの超人では、この三人には勝てるか怪しいものだ。
(・・・確か、リリカルなのはでも、風呂のシーンとかで士郎さんの体に無数の戦闘傷があったよな・・・SPの任務中にテロに巻き込まれて死の淵を彷徨ったとかいう設定があったはず・・・)
やはり、とらはと同レベルの戦闘能力を持っていると仮定して行動したほうが良さそうだと葵は思った。
「・・・さて、何があったか話してくれるかい?」
静かに、しかし確かな圧迫感をもって、士郎が問いかける。その目は、嘘は許さないと物語っていた。竹刀袋はすぐに取れる場所に置いており、葵が危険人物だと判断したときは容赦しないだろう。せめて、中身が真剣ではないことを祈るばかりである。
その殺気を向けられている訳ではないなのはも、重すぎる空気に冷や汗を流していた。
「・・・はい。」
緊張を飲み込むように唾を飲み、葵は話し始める。
「でも、俺が知っていることはあまりありません。俺が話せるのは、俺の身に起きた異変のことです。」
「異変?」
それまで腕を組んで黙っていた恭也が口を挟んだ。
「これです。」
それに何をいうでもなく、葵は左手の革手袋を取り外す。ハッと、周りの人間全てが息を飲んだ。特になのはは青い顔をしている。
彼の左手の甲には、透き通るように透明な宝石が輝いている。『最初からこうだった』と言われれば納得するしかないほどに自然に融合しているソレは、色は変わっていても、どう見ても『ジュエルシード』であった。
(『クリアパッチ』かぁ・・・。俺、人間じゃないって認識されてるのかね・・
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