第三幕その七
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「僕そのことでびっくりしたから」
「そんなに少なくて大丈夫なのかって」
「そのことはね」
「カルロスの言う通りだよ」
「そうなのね」
恵梨香は三人の男達に言われて目を瞬かせました、本当かしらというお顔になっています。そしてナターシャもでした。
恵梨香にです、こう言います。
「私もそう思うわ。それに」
「それに?」
「カロリーが少ないわね」
「お料理の」
「そう、私はそのことも気になるわ」
「そうそう、和食はね」
ドロシーも言うのでした。
「アメリカのお料理の中にもちゃんとあるけれど」
「カロリーがですか」
「少ないわ、あっさりしてるわ」
そうだというのです。
「ビーフカップにしても」
「ビーフカップ?」
「牛丼のことよ」
ドロシーはにこりとして恵梨香にビーフカップとは何かということをお話しました。
「あの丼のことよ」
「牛丼があっさりですか」
「私達から見ればね」
「そうなんですか」
「ええ、牛丼もね」
それもまた、とお話しつつです。ドロシーはマッシュポテトも食べます。
「オズの国だとね」
「ヘルシーですか」
「アメリカじゃそうなんだ」
ジョージも恵梨香に言います。
「牛丼はヘルシーな料理だよ」
「ううん、日本だとこってりしたお料理だけれど」
「そこが違うんだ」
「そうなの」
恵梨香はジョージに言われてもまだわからないといった感じです、食べながら首を傾げさせています。
「日本じゃ本当にね。牛丼は」
「あっさりしていないんだね」
「とてもね」
そうしたお料理だというのです。
「そこは本当に違うわね、ただ」
「ただって?」
「オズの国は牛丼があっさりって思われるみたいなお料理が多いみたいだけれど」
アメリカの影響が出る国です、恵梨香はこのことからも考えて言いました。
「それでも太ってる人はいないわね」
「オズの国では皆太らないの」
ドロシーが恵梨香に答えました。
「死なないしね」
「太ることもですか」
「痩せることもね」
そのどちらもです。
「ないのよ」
「そうなんですね」
「そう、ただ魔法の力でそうなったりしたりね」
「そうしたものを食べたりして」
「姿が消えたりするのと同じで」
太ったり痩せたり姿が動物になったりすることと同じで、というのです。痩せたり太ったりすることもです。
「あるけれど」
「基本的にはですね」
「オズの国の人はスタイルも変わらないの」
「そうなんですね」
「そう、だから私もね」
カロリーの高いものを食べてもというのです。
「太らないの」
「そうですか。ただ」
「ただ?」
「ドロシーさんは普段からとてもよく歩いておられますから」
旅の時は特にです。
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