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【短編集】現実だってファンタジー
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神話伝承相続権 その2
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『次は我々!イワサクとー!』
『ネサクにございまするー!』

ちょっとヤンチャな印象を受ける2人の小人。タケミカヅチよりちょっと小柄で細いが、きりっとした鋭い目つきが印象的だ。

「二人はよく似てるねぇ。兄弟なの?」
『大体二人一緒でありまするー!』
『まとめて一つの神とされることもあるので合神してぱわぁあっぷも出来ますぞー!』

まさかのフュージョン対応神である。司るのは岩裂(いわさく)根裂(ねさく)で、岩根をも裂く斬撃……つまり刀か斬撃そのものの神格化だという。フュージョンしてイワサクネサクになると雷も使えるようになり、フュージョン状態ならタケミカヅチとも互角の剣技だそうだ。

『武器とおケツの分は劣りまするが、それでも並の者には遅れは取りませぬ!』
『イザとなれば刀身そのものと化身して武器になることも可能であります!イワサクネサク状態からの化身ならば神代三剣(かみよさんけん)をも超えてみせましょう!』
「ヤダ、この子達頼もしすぎる……」

日本神話はまだ本気を出していなかったらしい。
神代三剣と言えば、タケミカヅチの経津御霊(フツノミタマ)、三種の神器が一つの天叢雲(アメノムラクモ)、ヤマタノオロチを叩き斬った天羽々斬(アメノハバキリ)の三本だ。言うまでもなく三本ともドえらく強い剣である。

『続いてはわたくし、クラミツハでありまする!』
『アタシはクラオカミ!アタシたちも姉妹だよー?』

この二人は髪の毛が長くて巫女服っぽいのを着ている。胸も出てるので女の子だと分かりやすい。

「うんうん、2人は何の神様なのかな?」
『谷や山に住む水神……つまりは龍神であります!ほら、ツノとシッポも出せますー!』
『直接水を操ったり、雨風吹かせたり出来るよ!すごいでしょー!』

にょきっと角としっぽが生えて余計に可愛い。だがフュージョンするといよいよ本格的に龍としての力を振るえるらしい。なお、雷は専門外だけど縁結びの力があるらしい。傷を癒したのも縁結びの応用で細胞や血管の「縁」を結びつけたとか。
そして二人が終わるととうとう最後。

『ミカハヤビでアリマスー!ヒハヤビと仲良しでアリマスー!
『ヒハヤビでアリマスー!兄上とわたしは父上の力を色濃く受け継ぎ、火を司りマスー!』

この二人は男の子らしいがちょっと女の子っぽい中性的な子たちだ。しかし……みんな可愛い。
正直この子たちと暮らしていると緩みきった顔が元に戻らなくなりそうで怖い。

『ヒハヤビは守りの炎を纏うのが得意でー?』
『ミカハヤビは攻撃するための火を起こすのが得意ー!』
『『ちなみに我々、名前に『速』の字が入っているせいで勝手に速さを司る最速の神という事になったみたいでアリマスー!!』』

いえーい、
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