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101番目の舶ィ語
第三話『今日は電話に出て下さいね』
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スマン、ジャンヌ。もう自称策士なんて思わんからどうか助けてくれ!
ここにはいないジャンヌ神に祈る。

祈りが通じたのか、一之江は俺にだけ聞こえるようなボソッとした声で呟いた。

「今日は電話に出て下さいね」

……やはり、あの電話が鍵となっているらしい。
あの大量着信。あれは一之江本人か、もしくは彼女が関わっている何かなのだろうか。どうして、どうやって俺のDフォンにかけることが出来たのか。聞きたい事は大量にあるが、どうやらとにもかくにも『電話に出る』という前提が必要らしい。

……嫌な予感がするなぁ。
だが、出ないと理由が分からない。

昨晩はキリカとの電話に夢中だったせいで、全く気付けなかった着信だが今日はちゃんと出よう。

「解った、必ず出る。出ないと一之江が困るなら、絶対に出るよ」

武偵憲章にもあるしな。
『2条。依頼人との契約は絶対守れ。』ってな。

「私が?」

「あれ、違うのか?いやほら。内容は分からないけど……一之江みたいな可愛い奴がそこまで言うなら、俺は力になってやる」

元武偵で、前世は『先祖代々正義の味方』をやっていた家で育ったしな。
俺は正義の味方にはなれない……けど困ってる奴の味方にならなれるかもしれないから。

「……」

一之江は俺の言葉に無言で答える。
流石にちょっとキザっぽかったかな、と思っていた時。

「貴方は、真性のバカなのですね」

凄い失礼な言葉が聞こえた。

「くっ……ま、まあ、電話は出るよ。はい」

「………」

背後から頷いたような気配が感じられる。
どうやら、本日も電話はかかってくるようだ。
それだけでも十分……だよな?



2010年5月11日。午後17時30分。

今日は部活を早めに切り上げて帰宅することにした。
アランの『一之江さんと仲良く会話出来た自慢』を聞きたくないってのもあったが、何よりその一之江との約束である『電話に出る』を実行しなくてないけないからな。
アランの馬鹿が一之江さんに話しかけれなかった俺に「モンジ。僕は友達として君にこれを送るよー!この芸術を見て元気出すんだ!」とか言って渡してきたDVDのパッケージを見たせいでヒスってしまったのは予定外だけどな。
パッケージの表紙は先輩そっくりの女優さんが足を開いて……いや何を言ってるんだ俺は。
女性をそんな邪な視線でみるのはいけないことだ。
校門の近くでふと足を止めて考えた。
『今日は電話に出て下さいね』
あの言葉はどういう意味だったのか?
彼女は何者なんだろうか。
そして俺はこれから何を体験するのだろうか。
武偵高時代に、『魔女』、『吸血鬼』、『人狼』、『妖怪』、『神』、『鬼』なんかとは対決したり共闘したりしたことがあるが超
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