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101番目の舶ィ語
第三話『今日は電話に出て下さいね』
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レた夫みたいな感じだね!
でも、そっか、そっか。やっぱり昨日何かあったんだ」

言った後に気づいた。
これは嵌められた、と。
誘導してワザと挑発し相手の情報を得るやり方。昔、理子とかかなめ相手にやられた気がする。

「ナニモナカッタ、ゾ」

「棒読みだよ、モンジ君。
でもよかったよ。そうやって反応する元気があるなら、私も安心かな」

キリカの気遣いが身に染みた。こいつは 本当に気遣いができる。キリカは理子と似ているがこういったところはリサ、白雪、ワトソン君ちゃんにも似てるかもな。

それにひきかえ、アランの馬鹿は一之江瑞江の方に向きっきりだ。あいつに何かあっても助けてやる事はないな。
……と、その時。一之江瑞江がアランや他のクラスメイト達から視線を逸らして。

「……」

冷ややかな視線で俺を見た。
偶然……ではない。
チラ見する度に、俺と一之江の視線は何度も重なったのだ。
つまり、一之江は俺をしょっちゅう見ている、という意味でもある。

「……なんかおイタしたの?」

こんなに俺を見つめてれば、キリカだって気づくだろう。
そっと小声で尋ねるキリカに、俺は渋い顔しか出来ない。
(何だ?一之江、お前は何か知ってるのか?)

「いや、した覚えはないな……今は」

と言ってしまってから気づいた。
失敗したな、と。

「今は、って事は昔なんかしたの?」

キリカが目を見開き、驚いている。
不味い。これは大変不味い。
誤解を解かなくては俺は、先輩をお姫様抱っこして街中を走った挙句、隣町に住む美少女転入生にもちょっかい出していた最低男という大変不名誉な名が付くかもしれん。
武偵高時代に『たらし』、『昼行灯』、『根暗』とか呼ばれてたみたいにな……。
まあ、全部間違ってると言えない辺りが不運に定評のある俺らしいが。

「いや……してない」

嘘は言ってない。
今の一文字疾風である俺は何もしていない。
俺が憑く前の一文字疾風が何かしらのおイタをしていてもおかしくはないがな。
少なくても今の俺は何もしてない。

「ふーん、ま、いいや……」

キリカは納得はしてないけどこれ以上踏み込まないよ、的な感じの眼差しを送ってきた。
助かる。
憑依の事は結局誰にも相談していない。
原因も分からないし、相談したところで相手を困らせるだけだしな。

(それより今は一之江の事だ)

一之江がさっき言った言葉。

『どうして、電話に出なかったのですか?』

……あれは、どういう意味だ?
俺がその言葉に心当たりがあるのは、一つだけ。
そう、昨晩にかかってきた百件もの着信履歴だ。
携帯の着信履歴がずっと埋まっているという、あんな経験は初めて……ではないな。
幼馴染みの武
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