第31話 伝説
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ようだ。」
ギーシュはハンカチを取り出すと、ゆっくりと顔を拭いた。そして、首を振りながら芝居がかった仕草で答えた。
シエスタはその場から離れようと歩きだした。
「待ちたまえ!君が軽率に、香水の瓶なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
ここで司が割って入った。
「どうもこうも、ミスタ・グラモンが悪い。ようは二股がばれて、メイドに責任転嫁しているだけだろう。」
「メイドをかばいだてするのなら決闘だ。ミス・ルイズの使い魔とて容赦はしない。」
「それでは魔法訓練場にて、決闘しよう。おれもメイジだからな。」
二人は魔法訓練場に赴いた。
訓練場には防護の魔法が掛けてあり、大きな怪我を負わないように出来ている。ここでは実戦形式の訓練が可能である。
訓練場には噂を聞きつけた生徒で溢れかえっていた。
「諸君!決闘だ!」
ギーシュが薔薇の造花を掲げた。うおーっ!と歓声が巻き起こる。
「さてと、始めるとしよう。」
司は至って冷静であった。
「僕の二つ名は青銅。青銅のギーシュだ。」
「俺は司・一条だ。何処からでも掛かってきたまえ。」
司はデルフリンガーのインテリジェントデバイスを掴むと、日本刀モードで起動した。
司は日本刀を左手で抜く。そうすると、左手に刻まれたルーン文字が光りだした。
「それではいくよ!」
ギーシュが薔薇を振った。花びらが宙を舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士のゴーレムが6体現れた。
「ワルキューレかかれ!」
6体のゴーレムが一斉に司に襲いかかる。
司が一閃刀を振り抜いた。
金属音もしないままに、ナイフでチーズを切るように、6体のゴーレムが上半身と下半身が別れて、崩れ落ちた。
ギーシュが気がついた時には、司の刀が首筋に当てられていた。
「勝負あったな。」
「参った。」
ギーシュは手を挙げて、降参した。
司はデルフリンガーのモードを解除して、ルイズ達の方へ歩いていった。
「流石です。司お兄さん。」
ルイズが声をかける。
「お兄ちゃん。手をぬいたでしょう。」
妹の夢が声をかける。
「あぁ、ガンダールヴの力も、身体強化魔法も使わなかった。ジジィめ、デルフリンガーを相当強化している。まるで斬鉄剣のようだ。これなら青銅どころか、鋼鉄でも簡単に切れる。」
Sideout
オスマンとコルベールは、遠見の鏡で見ていたが、一瞬でゴーレムを切り裂いたのは、ガンダールヴの力と誤解していた。
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