第31話 伝説
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った。
「おぅ、王室に報告しなければ・・・。」
「いらんよ。ミス・ルイズがガンダールヴを召喚するであろうことは、王室とラ・ヴァリエール公爵は知っておるよ。魔法学院にもミス・ルイズが入学する時に通達があった。ガンダールヴを召喚しても内密に処理するようにと。」
コルベールは膝から崩れ落ち、四つん這いになった。
視線はさまよっており、茫然自失の状態である。
「コッパゲルくん。」
オスマンがコルベールを呼んだ。しかも名前を間違っているが、コルベールは返答も出来ないでいた。
Sideout
Side 司・一条
司は食堂で、食事をしていた。勿論、ルイズ達と一緒である。
魔法学院のメイドのシエスタが、銀のトレイにケーキを乗せ、一つずつ貴族達に配っていく。
「なあ、ギーシュ!お前、今は誰と付き合っているんだよ!」
金色の巻き髪に、フリルのついたシャツを着た、気障なメイジがいた。薔薇をシャツのポケットに挿している。周りの友人が、口々に彼を冷やかしている。
「誰が恋人なんだ?ギーシュ!」
「付き合う?僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね。」
その時にギーシュのポケットからガラスの小瓶が落ちた。
司は決闘イベントを知っているので、しょうがなく立ち上がり、ギーシュに声を掛けようとした。
「ポケットから小瓶が落ちましたよ。」
しかし、司が声を掛ける前に、シエスタが声を掛けてしまった。
そして、小瓶を拾うとテーブルの上に置いた。
「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」
その小瓶の出所に気づいたギーシュの友人達が、大声で騒ぎ始めた。
「おぉ?その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないか?」
「そうだ!その鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分のためだけに調合している香水だぞ!」
それでもギーシュは、弁明を続ける。
「ギーシュさま・・・。やはり、ミス・モンモランシーと・・・。」
ギーシュはケティと呼ばれる少女に言い訳をするが、思いっきり頬をひっぱたいて、捨て台詞を残して去っていった。
すると、遠くの席から一人の見事な巻き髪の女の子が立ち上がって、ギーシュの席までやってきた。
「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」
「モンモランシー、誤解だ。彼女とはただ一緒に、ラ・ロシェールの森へ遠乗りしただけで・・・。」
モンモランシーは、テーブルに置かれたワインの瓶を掴むと、中身をどぼどぼとギーシュの頭の上からかけた。
「嘘つき!」
と怒鳴って去っていった。
「あのレディ達は、薔薇の存在の意味を理解していない
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