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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十八話『本日は休息日和・駅前編』
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間にか復活していた数馬が、俺たちの輪に割り込んできていた。

相変わらずゴキブリ並だな、このバイタリティは……。
でも、良い提案が出た。
「そうだな、箒も鈴もこの辺りがどう変わったか、まだ見てないだろ?」
「まあ、そうだが……」
「だったら、俺たちがバッチリ案内してあげるぜ、え〜っと……」
「箒で構わない、隙に呼んでくれ」
「わたくしも、セシリアでよろしいですわ」
「了解、よろしく箒ちゃん、セシリアちゃん」
「それじゃあ、商店街に向かって出発しますか」
全員が“諾”と返し、俺たちは一路、地元の商店街を目指した。


――――

駅前のロータリーから歩いて五分ほど。
大きな道路を渡ると、目的地であるアーケード式の商店街に到着した。

徒歩時(かちどき)商店街。

随分と気合の入った響きだが、それもそのはず。元は本当に『勝鬨(かちどき)』と書いていたからだ。
名前を変えたのは、駅前開発による大型ショッピングモールの建設に対抗して、商店街を盛り立てる事業の一環らしい。
こんな話を俺が知っているのは、この商店街の組合長は厳さんの店の常連で、厳さんの店をよく愚痴りに来るらしく、それを店を手伝わされる弾が小耳にはさむからだ。
「すごい人ゴミ……」
「さすがに休日だからな」
鈴でも圧倒される人、人、人……。まさに人の川だ。
開発が始まった頃は、ショッピングモールに人を吸われて潰れるとも言われていたが、それどころか以前にもまして活気づいている。
「ここの商店街、こんな感じだっただろうか……?」
「箒ちゃんが驚くのも無理ないかな、開発前はシャッター商店街も同然だったしね」
戸惑う箒に、弾が返答する。
何せ七年だ。俺や一夏たちのように、地元で見てきた人間じゃなければ、この変化に戸惑うのも仕方ないだろう。
「で、どこに行きます? 意外と何でもあるんですよ、ここ!」
蘭の言葉通り、ここでは生活に居るものが大体揃っている。
全長は大体三百メートルほど、その中に六十以上の商店が軒を連ねている。
昔ながらの菓子屋や荒物屋もあれば、ここ数年で入ってきた婦人服店に少しお洒落なカフェもあったりと、新旧入り乱れの様相である。
なかには鍋専門だったり、編みかご専門だったりと、局所的な店も点在している。
かくいう俺の包丁や、厳さんの店の道具もここで揃えたものだ。
「とりあえずブラブラしながら、適当なところで一息入れるってのは?」
「だったら、ここから三分の二ぐらい行ったところに、コーヒースタンドがあるし、そこでよくにゃい?」
まぁ、これは一夏と数馬に賛成だな。
「コーヒー……ですか……」
「あれ、セシリアちゃん、コーヒー苦手?」
「あ、いいえ。紅茶のほうが、好きなので……」
「わ、私も、どちらかと言えば日本茶
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