暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十八話『本日は休息日和・駅前編』
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速度と身のこなしで行動し、ナンパに走る。そのアグレッシブさは、普段の呑気な数馬とはまったく別人だ。主に、悪い意味で。
いきなりの洗礼に、さすがの箒とセシリアも酷く困惑するしかないらしい。
そんな数馬に対して――
「数馬……」
「へ?」
「ふんっ!」
「ぐへっ!?」
「弾」
「オラァッ!!」
「ぬおぉ!?」
「仕上げだ、鈴!」
「ふんっ!」
「ぐげぇぇっ!?」
こうして俺たちの手で処理されるのが通例となっている。
ちなみに今回は、まず俺が数馬を引き寄せながら腹に一発、次に弾に数馬の膝裏にローキック、最後に跪いた数馬の脳天に鈴が容赦ない踵落としという、数年来でも稀に見るフルコンボである。
「はい、向こうで休んでいようなぁ〜」
そうしてくたばった数馬を、一夏が近くのベンチへと引きずっていった。
「とりあえず、ダチが迷惑かけてちまった。ごめんな」
「い……いや、だ……大丈夫だ……」
「す……少し、びっくりしてしましたわ……」
「というか、さっきのは大丈夫なのか? かなり凄まじい攻撃だったような……」
「気にするな、アイツの生命力はゾンビ級だ。すぐに復活するから」
「は、はぁ……」
箒とセシリアは未だに混乱中だ。……まぁ、あのフルコンボを見れば、普通はドン引きだわな。俺たちには日常茶飯事なのだが。
釈明しておくが、むやみやたらに数馬を叩いている訳じゃない。
こうでもしないと、ナンパモードの数馬は止まらないのだ。ちゃんと会話での説得も、やらかした後の注意喚起も徹底してみた。だが懲りるということを知らないのか、そのたびに数馬のナンパ癖はエスカレートしていった。
そして万策尽きかけたあるとき、鈴が堪りかねて蹴り飛ばした結果、少なくとも俺たちの前で、日に何度もナンパに走ることはなくなった。
何とも情けない方法だが、現状これが一番の特効薬なのだ。
「あの、修夜さんが言っていた人たちって……」
「あぁ、この二人と、鈴のことだよ」
茶番が終わったのを見計らってか、蘭が俺の後ろからおずおずと出てきた。
「修夜、その子は?」
「五反田蘭、そこの弾の妹で俺たちの一つ下だ」
「は……、はじめまして、聖マリアンヌ女学院中等部三年生の五反田蘭です!」
「IS学園一年生、篠ノ之箒だ。よろしく」
「同じく一年生、連合王国代表候補生のセシリア・オルコットですわ」
緊張しながら挨拶する蘭を見て、二人とも微笑ましそうに蘭を見る。
「だ……、代表候補生……!?」
「ああ、セシリアはイギリスの代表候補生だ。かなりすごいぞ」
「いえいえ、諸先輩方に比べれば、わたくしめなどまだまだ……」
蘭はセシリアが代表候補生だと聞いて、謙遜するセシリアを見ながら驚いている。
なんというか、圧倒されているようだ。
「へぇ、この子が“ファースト
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