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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十七話『本日は休息日和・食堂編』
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慌てて俺を呼ぶ。
「聞こえなかったか? 却下だ……つったんだよ、俺は」
だが、俺はそんな事を気にしないで、再びその言葉を口にする。
すると、台所の方から殺気を感じ、そちらを向く。見れば、厳さんが凄い表情で俺を睨んでいる。
師匠よりマシっぽいが、孫娘馬鹿ここに極まれり……ってか?
「ちょ、ちょっと修夜くん、どうして君は蘭の決めたことを否定するの?」
「おい修夜、オメェ俺に喧嘩売ってるのか……?」
状況を見ていた蓮さんが咎めるように言い、厳さんは今すぐに俺を殴りそうな雰囲気だ。
だが、そんな事で俺は臆したりしない。そもそも、厳さんの脅しなんて、師匠の説教に比べれば本当に大した事はない。
むしろ、弾と違って賛同しようとしているこの二人の思考に、呆れてため息が出るほどだ。
「……落ち着いてください。俺は何も、蘭の入学する意思そのものは否定しません。それが【しっかりとした考えを持っていた上での判断ならば】……ですけどね」
「……どう言う意味だ、それは?」
俺の言葉に、怒りを抑えながらそう聞いてくる厳さん。つか、本当に分かってねぇな、この人……。
「簡単ですよ。今の蘭は、何かしらの理由で生半可な意志で入学を決めたって事です。
 自分の周囲やその後の影響を何も考えていないと言っても良い」
「んだとコラッ!?」
もう堪忍袋が切れそうな厳さんは俺に掴みかかろうとしている。
「止めてください、お義父さん」
そんな厳さんの行動をお見通しと言うか、蓮さんが即座に止めた。
「蓮、お前は蘭がああまで言われ、何とも――」
「お義父さん、話は最後まで聞いて下さい。修夜くんが蘭をあんな風に言うって事は何か理由がある筈です。そうでしょ? 修夜くん」
真剣な表情で俺を見つめる蓮さんに対して、俺は静かに頷く。
「俺とて、蓮さん達のように、蘭の決めた事は尊重したいと思いますよ。
 ですが、この件は違う。生半可な意思で決めて良いものじゃないんです」
そうして、俺は自分の考えを伝える。
「蘭が何故、今の学校を辞めてまでIS学園に入学しようと決意したのかは、生憎俺には分かりません。ですが、俺達の話を聞いて、それで今の生活を捨てて行こうと思う程、IS学園は甘くはない」
「どう言う、事ですか……?」
俺の言葉に、不安そうな表情で蘭が問いかける。
「言葉通りの意味だ、蘭。IS学園に通う生徒達はみんな、何かしらの目標を持っている奴らばかりなんだ」
「……あっ…」
俺の言葉に、蘭が何かに気付く。そう、学園に通っているみんなは、程度の差はあれど、ISに夢を持って学園に入学しているのだ。
【かつての千冬さんのように、世界大会で優勝したい】、【国家代表になりたい】、【ISに関わる仕事に就きたい】……本当に様々だ。
中にはごく単純な理由で入学した奴だっているか
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