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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十七話『本日は休息日和・食堂編』
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学園には学校からの推薦と言うものがない。故に、一般生徒・代表候補生問わず、学園に入学する場合は試験を受けなければならない。
この点は、セシリア自身が主席入学していると言う点から見ても、間違いはない。代表候補生だからと言って、実力が伴わなければ入学させるわけには行かないのだろう。
また、転入する場合でも国からの推薦がなければ意味をなさない。これも、鈴が転入して来た点を鑑みれば、間違いはないはずだ。
「お兄と違って、私は筆記で余裕です」
「そう言う問題じゃないだろ。大体、実技はどうするんだよ?」
蘭の台詞に、これまた当然の疑問を投げかける弾。
IS学園に入学する為の試験として、筆記試験以外に、実技としてIS起動試験がある。その名の通り、試験用のISを起動させ、簡単な稼動状況を見て適正を判断する試験であるが、内容に反して入学への最大の壁となっている。
そもそも、ISが女性にしか動かせないのが常識といわれているが、それは適正があってこそのものだ。適性がなければ、幾ら筆記が優秀でも意味が無く、逆もまた然り。
IS学園の入試倍率が高いにも拘らず、不合格者を続出させるのはこれが理由だ。
「…………………」
そんな疑問に答えるかのように、蘭は無言でポケットから紙を取り出し、弾に渡す。
「げぇっ!?」
それを受け取って中を見た弾が声を上げる。
「どうした、弾? 何て書いてあるんだ?」
「IS簡易適正試験……判定A……」
一夏の疑問に、声を震わせながらそれだけを言う弾。
「おいおい……」
「問題は既に解決済みです」
呆れた表情でそう言う俺に対し、蘭は得意そうにそう言ってくる。
確かこの試験は、内容そのものは実技試験をある程度簡略化した内容となっていて、IS学園の入学やISのテストパイロットを目指す女性達の指標として、政府が定期的に実施しているもんだったはずだ。
内容こそ単純だが、その分入試並に希望者が多く、予約必須のはずなんだが……んな試験何時受けたんだよ、こいつは……。
「それって希望者が受けれるやつだっけ? たしか政府がIS操縦者を募集する一環でやってるっていう」
「はい。タダです」
思い出したかのように言う一夏に対し、蘭がそう答える。
厨房では厳さんが、「タダはいい、タダであればあるほどいい」なんて言って頷いている。
本当、蘭に甘いんだなこの人は……。
「で、ですので」
こほんと咳払いをして、蘭は俺のほうを向く。その表情は、真剣そのものだ。
「し、修夜さんにはぜひ先輩としてご指導を……」
「……悪いが、却下だ。蘭」
だが、蘭が言い終える前に、俺は即座にそう言って切り捨てる。
瞬間、周囲の空気が凍りつくのを俺は感じた。
「…………えっ?」
「お、おい、修夜……!?」
何を言われたか分からない蘭を見て、一夏が
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