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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第三章『更識簪』
第三十七話『本日は休息日和・食堂編』
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うに溜息を吐く。
「どう言う意味だよ?」
「どうもこうも、そう言う意味だよ。後は自分で気付け、ばーか」
そう言いながら苦笑を浮かべ、「先行ってるぜ」と告げて、弾も部屋を出て行く。
残されたのは、今一状況が掴めていない一夏と俺だけだ。
「……どう言う意味なんだ、修夜?」
「……知るか、馬鹿」
俺の方を向いて問い掛ける一夏に対し、俺は釈然としないまま、そう答えるのだった。


――――

その後、一度五反田家の裏口から外に出て、表にある食堂の入り口へと向かう。
多少面倒な作りではあるが、中学時代に厳さんに理由を聞いたところ、「この造りのおかげで、私生活に商売が入ってこない」らしい。
確かに、私生活と商売を混同視しない厳さんらしい理由だと思うけど、もう少し行き来を楽にしても良い気がするんだがなぁ……。
そんな事を考えながら中に入ると、昼食が準備されている席に、弾と蘭が先に座って俺たちを待っていた。
「やっと来たな。とりあえず適当に座れよ」
一足先に向かっていた弾が、取っておいた席を軽く叩いて俺と一夏を呼ぶ。
それに同意するように、俺たちもそれぞれの席へと向かった。
「しっかし、ここで飯を食うのも久しぶりだな」
そう言いながら、一夏は弾の隣の席に座ったので、俺は蘭の隣へと座る。
「確かにな。けど、本当に良かったのか?」
「は、はい。説明したら、おじいちゃんもお母さんも同意してくれましたし……」
何故か些か緊張した感じで、蘭がそう答える。
ふと視線を向ければ、五反田家の看板娘で、弾達の母親である五反田蓮(ごたんだれん)さんが、厨房のカウンター越しこちらを見ている。
そのにこやかな笑顔に、“得体のしれない何か”を感じるのは何故だろうか……?
「とりあえず、さっさと食おうぜ。このままじゃ、じーちゃんに下げられちまうしな」
そう言って、弾は厨房を指差しながら苦笑する。言われて視線を向ければ、中華鍋を振るいながらも、時折こちらに視線を向けている厳さんが見てとれた。
「それもそうだな。それじゃ……」
『いただきます』
俺が手を合わせると、一夏達も手を合わせて、同時に言う。
その様子を見てか、厳さんは表情にこそ出してないが、機嫌の良さが料理の音になって表れていた。


五反田食堂のメニューは至極庶民的だ。
煮物、揚げ物、魚系メニューに味噌汁、野菜炒めにサラダに漬物、お浸し、酢の物、うどんや素麺まで出てくる。
日中は十一時頃から開店し、夜中は九時前まで開いている。昼の二時からは一旦休業し、五時から夜向けのメニューに切り替えて再稼働するのだ。
日中はよくあるランチメニューで固めているが、夜中には酒類も出すし、それに合わせて居酒屋のように酒の肴も出している。
そんな多彩な料理を作りだすのが、俺たちの目の前で不
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