エピソード23 〜兄の呪縛〜
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んでも冷た過ぎやしないか?」
「な、何??」
「翔の悩みに気づかずに何もしないでそれでも本当に兄か?少しくらいは手を貸してやったり、励ましたりとかしてもいいんじゃないか?まぁ、その様子じゃあ翔が何に悩んでいるかすらわからないだろうな。義兄である十代のがよっぽど翔の事を理解してるぞ」
一気にまくし立て周りを唖然とさせる。そんな中で真っ先に口を開いたのが……
「兄さんをバカにするなぁ!紫苑さんに僕の何がわかる!兄さんの何がわかる!」
「まだ居たのか……」
紫苑の言葉に激昂し、いつもは大人しい翔が珍しく声を荒げる
お前はそこまで兄に固執するのか……
諦めた様子でハァと大きくため息を吐く
「翔、お前がそこまで兄にこだわる理由は丸藤 亮という人物がお前にとって、最も尊敬し、何よりも強い……強者の象徴なんだろ?だから、その象徴を穢されたくないから怒るんだろ?」
「くっ…………違う!僕は兄さんを尊敬していて!ッハ??」
言っている途中で何かに気づく。おそらく、途中で結論が俺の言った事に辿りついたのだろう。
「違わない、だろ?だから、兄の言うことにはなんでも従い、兄の言葉が呪縛となり、自分を結果的に苦しめる。昨日のデュエルがいい例だろ。パワー・ボンドを使うかどうかで悩んだりして
滑稽を通り越して、呆れるよ。」
その言葉がトドメとなり翔は沈黙してしまう。
さて、これからどうしようか。この殺伐とした雰囲気を乗り切るのは中々骨が折れるぞ。
やっぱり、面倒事に巻き込まれたかとため息を吐く。そして、翔を一瞥し、自分の考えを纏める。
翔は内気で自信のない性格が災いし、何事もうまくいかない。そして、兄は全てにおいて完璧でカイザーと呼ばれるほどの実力者。二人の実力の差が開くにつれて、亮の弟である事が重荷になる。そして、そこから救われる為に生まれたのが兄への異常なまでの尊敬と執着。
確かに兄が凄ければ、それを自慢すればすごいと評され、一時的な優越感に浸れる。だが、結局すごいのは自分ではなく兄。その事は変わらない事実であり、自分の不甲斐なさをより際立たせるのとになり、自信を無くし、何事もうまくいかなくなる。まさに負のスパイラルである。
そんな連鎖の中から抜け出すにはやはり兄への執着を断ち切り、自身の力で何かを成し遂げなければならない。
俺が翔に何を言ったとしても伝わらないだろうな。できる事と言えば…………
「丸藤先輩、デュエルしてください
………………翔と」
「「「ええええ??」」」
「ぼ、僕っすか??」
十代、明日香、隼は驚きのあまり声を上げ、翔は激しく
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