エピソード23 〜兄の呪縛〜
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が止めようとイカダに飛び乗るが、呆気なくイカダは分裂し二人とも海へ落ち、溺れる。
「おい、ここめちゃくちゃ浅いぞ……。」
腕を海に入れ、深さを確かめるとちょうど肘あたりまでしかない。アホだろ……。
十代が何故逃げだそうとしたのか問い詰めると翔は急に泣き言を言い始める。
「うぅ……僕には兄貴のパートナーなんて務まらないっす。別の人と組んで欲しいっす」
「つべこべ言うんじゃねぇ!俺は決めたんだよ!パートナーはお前だ!」
……。何だろう、青春ドラマを見ているようだ。そして、翔の情けなさに嫌気がさしてくる。一体何があいつの自信を無くさせるのか
「不甲斐ないな、翔」
そして、青春ドラマに新たな俳優が……。
いつの間にか、丸藤 亮と明日香が後ろに立っていた
「に、兄さん??どうしてここに……」
「カイザー亮……あいつが翔の兄貴か」
月一試験の時に見ただろ……。なんて言えない
「逃げ出すのか?だが、それもいいだろう」
「うぅ…………」
翔は兄のその言葉に何も言い返せず、イカダを再び組み、出て行こうとする。
「そこは、船を待てよ。本土までどれだけ距離あると思ってんの?」
「あぁ??もう!雰囲気が台無しっすよ!せっかくシリアスを保ったまま行こうとしていたのにぃ!逆に帰り辛いじゃないっすか!」
正論を述べたら、逆ギレされた。これだから、最近の若いのは……
プンプンと怒りながら、その場を立ち去ろうとする
「おい、止めないのか?本当に行っちまうぞ!」
「仕方ないだろ。」
まだ青春ドラマが続いてるよ。いい加減にしろよな。
翔の不甲斐なさ、亮の薄情さ、十代の熱血漢に嫌気がさす紫苑
「ほんっとうに最低だな」
「「なっ??」」
紫苑の一言がその場の空気を凍てつかせる
「あ、あなた。この学園最強の男に何言ってるのよ!」
明日香が激しく反論してくる
「最強ね……。確か、俺はその最強に勝ったはずだが?」
「た、確かに紫苑は強いけど、アレはたまたま手札がよかっただけじゃない」
へぇ、そんなこと言うんだ。違うと思っていたけど、実は明日香も肩書きとかだけで人を判断する輩なのか?
明日香を、そして、亮を見る目つきが鋭くなる
「まぁ、確かに先輩に対して、さっきの言葉使いは失礼でした、謝ります」
「あぁ、別に構わない」
「そ、そう……紫苑もわかった「だが、それと今は別だ」えぇ??ど、どういうことよ!」
言い終わる前に遮り、明日香の怒りのボルテージを上昇させる
「俺が言いたい事に関して、強者、先輩云々は関係ない。あんた、それでも兄か?別に兄弟の関係に口出しするつもりはないが、あんたの言動は幾らな
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