第9話 西の飛燕VS大国の格闘王 必殺技、炸裂!?
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2009年 6月2日 京都府 某所
古風で歴史ある街並みと、観光客向けの土産屋が立ち並ぶ地の少し広々とした場所で、国や町から正式に許可された決闘が行われようとしていた。
一方は、川神学園の夏の学生服に身を包み、黒い髪を腰にまでぎりぎり届かせた快活そうな美少女だ。
その近くには作業服を着ている中年男性がいる。顔のパーツが似ている処が多少あるため恐らく親子であろう。
もう一方はアメリカでは有名な二人組、カラカル兄弟だ。
兄のゲイル・カラカルは表世界の格闘王で、弟のゲイツ・カラカルは世界的に有名なコンピューターの第一人者で、ゲイツが相手の戦力を調べ上げ分析したのを兄に伝えて、ゲイルはその情報をもとに天才的な格闘スキルと圧倒的パワーを駆使して叩きのめすという方法で無敗を誇っている。
そんな二人が今まさに、この観光名所《決闘の地》でぶつかり合おうとしていた。
「ねーばりー強くー、いきてゆくんだー♪」
妙な歌を歌う黒髪の美少女は、多くの視線の中で戦闘前に最後のストレッチにより、体をほぐしていた。
「いちにちいっしょく、なっトウッ!トウッ!」
そんな妙な歌を終えた少女に対して、父親と思える男性が近づく。
「どう?燕ちゃん、来てる?」
「準備オッケーよ、おとん」
オトンと呼ばれているという事はやはり親子だったのだろう。そして、そのおとんと呼ばれた男性から燕と呼ばれた少女は、ほぐしを終える返事をした。
「相手は早く戦いたくて、たまらないみたいだよ!」
そんな男性のセリフに答える様に、ゲイルは笑う。
「ハッハー!カモーーン!!」
しかし、その男性自身が意気高揚している訳では無い。それに加えて、一応娘の実力を知っている上でではあるが、戦力差を比較する。
「カラカル・ゲイル――――ゲイル・カラカル、表世界の全米格闘王者だけど・・・平蜘蛛は使わないでね、燕ちゃん」
「あいあい。やってみますか」
燕と呼ばれた少女は、軽やかなステップで前に出た。
「お待たせ、じゃあ、決闘を始めようか」
それを合図に、青い髪をしたイケメン執事が両者の間に現れる。
「それでは、九鬼家従者部隊序列42番、桐山鯉。この対決、見守らせてもらいます松永様」
「ああ、しっかり見て、しっかり報告してくれ」
そうこうしている内に、観客が集まりだして辺りを熱気が包んでいく。
「ゲーイツ!ワタシの勝率は?」
ゲイルは少し後ろに控える実弟、ゲイツに分析の結果を聞く。
「99.9999%だよ、兄さん。でも妙なんだ、松永と言えば武器を使うのが有名だろう?」
「Yes。槍とか薙刀とかが相手と思いましたが?」
「彼女は、素手
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