第1部 ゼロの使い魔
第7章 トリステインの武器屋
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キュルケは、昼前に目覚めた。
今日は虚無の曜日である。
窓を眺めて、窓ガラスが入っていないことに気づいた。
周りが焼け焦げている。
しばらくぼんやりと寝ぼけた気分で見つめて、昨晩の出来事を思い出した。
「そうだわ、ふぁ、ペリッソンが顔を出すから、吹っ飛ばしたんだっけ」
そして、窓の事など全く気にせずに起き上がると、化粧を始めた。
今日は、どうやってウルキオラを口説こうか、と考えるとウキウキしてくる。
キュルケは、生まれついての狩人なのだ。
化粧を終え、自分の部屋から出て、ルイズの部屋の扉をノックした。
そのあと、キュルケは顎に手を置いて、にっこりと笑った。
ウルキオラが出てきたら、抱きついてキスをする。
ルイズが出てきたらどうしようかしら、と少しだけ考える。
そのときは、そうね……、部屋の奥にいるであろう、ウルキオラに流し目を送って中庭でもブラブラしよう。
キュルケは、よもや自分の求愛が拒まれるなどとは露ほども思っていないのであった。
しかし、ノックの返事はない。
開けようとしたが、鍵がかかっていた。
キュルケはなんの躊躇いもなく、ドアに「アンロック」の呪文をかけた。
本来なら、学院内での「アンロック」の使用は重大な校則違反なのだが、キュルケは気にしない。
恋の情熱はすべてのルールに優越する。
というのがツェルプストー家の家訓なのだ。
キュルケは部屋を見回した。
「相変わらず、色気のない部屋ね……」
ルイズの鞄がない。
虚無の曜日なのに、鞄がないということはどこかに出かけたのか。
窓から外を見回した。
門から馬に乗って出て行くルイズと、宙に浮かびながら馬の横を飛んでいるウルキオラの姿が見えた。
「なによー、出かけるの?」
キュルケはつまらなそうに呟いた。
それから、ちょっと考え、ルイズの部屋を飛び出した。
タバサは寮の自分の部屋で、読書を楽しんでいた。
青みがかった髪と、ブルーの瞳を持つ彼女は、メガネの奥の目をキラキラと海のように輝かせて本の世界に没頭していた。
彼女はウルキオラが召喚された時、意識を保って入られた4人の内の1人である。
年より4つも5つも若く見られることが多い。
身長は小柄なルイズより5セントも低く、体も細いからである。
しかし、まったくそんなことは気にしていない。
他人からどう見られるか、ということより、とにかく放っておいて欲しい、と考えるタイプの少女であった。
タバサは虚無の曜日が好きである。
何故なら、自分の世界に好きなだけ浸っていられるからである。
彼女にとっての他人は、自分の世界に対する無
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