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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百八十五話  『罪の償いの仕方。そしてモリアとは…』
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の命を理想のためと理由をつけて誰に命令されるでもなく自分の意思で殺めてきた。
リオン以上に私は犯罪者だ。
それでも私は自殺しようとはせずに殺した人の分も生きようという思いで今まで生きてきた。
だから私ほどではなくともリオンにも同じ気持ちで生きて欲しい………。
そんな、私の気持ちが通じたのかはわからないが、

「私は、生きていて、いいんですか………?」

それでリオンはまたしても涙を流し始めだした。
それで私はリオンの頭を撫でてやりながら、

「少なくとも、スバルやティアナ、そして私達はあなたがこれからも生きてくれることを望んでいるわ………。だから、あなたもけっして自分から死のうなんて考えちゃダメよ………?」
「はい………はい………ッ!」

それでポロポロと今日何度目かになる涙を流して何度も頷くリオン。
よかった………。これで自殺とかをする心配はもうないわね。
こんなに綺麗な涙を流しているんだから。
それからは話を変えて知っている限りの情報をリオンから聞き出す私達だった。



◆◇―――――――――◇◆



………それから、リオンは中庭でスバル達フォワード達やヴィヴィオ、ツルギ君などと会話を交わしているところを会議室の窓から眺めながら、隊長達だけでの会議を始めた。

「………さて、リオンからあらかた情報は引き出せたけど、なにか意見ある人はいるか?」
「はい」

はやての言葉でまずフェイトが手を上げる。

「フェイトちゃんか。ええで」
「うん。まずリオンさんから聞き出した話を集計すると改めてモリアが用心深い事がわかったと思うんだ」
「たしかにそうだな。モリアはネームレスに何も情報を与えていなかったようだからな」

フェイトの言葉にシグナムがそう返す。
でも、ちょっとシグナムに言っておきたいことがある。
それで私がシグナムに話しかけようとしたけど、先にヴィータに言われてしまった。

「おい、シグナム。たしかにネームレスっていうのはリオンの名前だけどさ………リオン自身は忌み嫌っているんだから名前で呼んでやれよ?」
「む………たしかにそうだな。気をつけるとする」

そう。
リオンの本名。
『リオン・ネームレス』。
リオンという名前は合成獣(キメラ)に殺されたというリオン以外の十九人の兄弟姉妹達につけられた名前だからまだ許せるが、問題はネームレスという苗字。
これはモリアが『誰でもない』という意味でつけたという。
リオンは言った。

『私はたくさんの人の遺伝子から作り出されました。だから誰でもない………ゆえに名無し、ネームレスなんです』

どこか悲しそうにそう言った時のリオンさんの表情は忘れられないものだ。

「リオンは、私と同じなんだね………」
「フェイ
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