想い育てよ秋の蘭
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何故……そんなに嬉しそうなんだろう。
優しい彼女は、いつも人の命を大切にしていた。
誰よりも、誰よりも大切にしていた。
自分も似たような事を考えていたから、似たモノ同士だったんだろう。
哀しくて、苦しくて、辛くて……でもやはり、この悲しい世界を終わらせたくて、どうにか走った。
自分の力を出し切って、最大の数を救い切った。
そうして、また……今回も平穏を手に入れた。
二回目の終わりは、より多くの笑顔に溢れていた。
光が眩しい。橙色の光が美しい。前に見た光景だと思って、やっぱり彼女と一緒に見たかった。
だから……かもしれない。
そう願ったから、こうなってるのかもしれない。
ある意味で、この世界には救いがあるのかもしれない。
彼女を救えるなら、自分は何度だって、この世界を繰り返そう。
三度目の乱世でまた……自分を知らない彼女と出会った。
心が悲鳴を上げていた。
救いたい
共に、幸せになりたい
だから皆を、自分の都合で殺して生かす。
だから誰かを、自分の都合で救って堕とす。
どれだけ罪深いのか分からない
どれだけ愚かしいのか分からない
少しずつ、自分が壊れていくのだけが分かった。
ただ、彼女さえ幸せならそれでいい
そんな想いが、芽生えてしまった。
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