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ボロディンJr奮戦記〜ある銀河の戦いの記録〜
第34話 頑固爺とドラ息子
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に関してある程度の相談には乗る。情報で不足する部分があるのであれば、参謀長と同等のアクセス権限を貴官に付与する。リングトン中佐とチ少佐には、貴官にアクセス権限が与えられたことのみ、参謀長である小官から伝達しておく」
「承知しました」
 それは作戦事項を現時点では二人に話すな、ということだろう。いずれは解除される事だろうが、爺様とモンシャルマン大佐がこれから二人の『身体検査』を行うと言っているのと全く同じだ。
「作戦立案に際し、補佐が欲しいのであれば勤務時間外のファイフェル少尉を遠慮無く使って構わん。行政府と接触する場合は司令官の命令であると突っぱねてよい。その当たりの匙加減は貴官に任せる。フェザーンで折角痛い目に遭ってきたんじゃから、その『経験』は充分に活用するんじゃぞ」

 最後に爺様が余計なことを言ってくれた。あのクソ親父(シトレ中将)から聞いたんだろう。どうして余計なことまで吹き込むかな、あの黒狸。

 とにかく作戦立案権限をほとんどフリーハンドで与えられたことは望外とも言うべき状況だ。当然、俺が落第点の作戦を立てたとしても、二週間という限られた時間ならば、改めて司令部で作戦が立てられると爺様と大佐は考えているのだろう。故にそれなりのものを仕上げなければ、爺様や大佐の信頼を失うし、ひいてはこうやってフォローしてくれたクソ親父の面目にも関わる。

 課題は重いが、もうチャンスはないだろう。その覚悟で臨むしかないと俺は心の中で呟いた。


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