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マザコン
第一章
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目と縮れた髪である。彫はやや深くはっきりとした二重の目である。明らかにヒスパニックの顔であった。
 その彼がだ。こう名乗ってきたのだ。
「ハイメ=サンターナっていうんだ。宜しくな」
「ハイメっていうのか」
「ああ。メキシカンさ」 
 自分のルーツも言ってきた。明るい笑顔が実に印象的だ。
「メキシカン=アメリカンってやつさ」
「そうか、メキシカンか」
「そういえばそういう感じだな」
「どう見てもな」
「そうだろ?趣味はギターだぜ」
 今度は趣味も言うのだった。
「それと野球な。サボテンも食うぜ」
「完全にメキシカンかよ」
「自分からどんどん言うな」
「あとスペイン語も話せるからな」
 それもできるというのだ。アメリカでは実際のところ英語だけでなくスペイン語もかなり話される。中にはスペイン語しか話せない者もいるのである。

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