第94話 少年達が切り抜けた先は三人が待ち構えるようです
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も二も無く取り巻きは部屋から出ていき、同時。
皇女様の仮面を外したテオはじゃじゃ馬らしい笑顔を浮かべて、俺をバシバシたたいてきやがる。
「ジャックゥ〜〜!久しぶりじゃな、この肉ダルマ!」
「うっぜ、うっぜぇ!三十路の女が餓鬼見てーな真似すんじゃねーよ!」
「失礼な。ヘラス族は長命だから三十歳でも人間換算で十歳くらいじゃ!」
「ハッハッハ、相変わらずだな英雄様とお転婆姫は。」
テオとじゃれてると、今度はむさ苦しいオッサン(俺が言うこっちゃねぇか)と立派な後ろ角を生やした
オバハ・・・もとい女が部屋に入ってきた。元老議員のリカードと、アリアドネー総長のセラス。
二人とも、あの大戦を生き残り一緒に戦った戦友だ。
「あーんだよ、テメーらが裏で仲良いのがばれりゃまずいんじゃねぇのか?」
「ワハハハハ!まあ飲もうぜ、試合を肴によ!」
「そうじゃそうじゃ、難しい事は追いとくのじゃ!」
「あーはいはい、十代のお子様はジュースな。」
「あー!何をするのじゃ筋肉ダルマ!!」
一気にやかましくなった観覧席で闘技場を見ると、さっきの試合がダイジェクトで流れていた。
リカードはどうやら話題のネギに興味があるようで、全員で盛り上がっている所に衝撃の事実を
伝えてやる。
「あー、そいつな。ナギの実の息子だぜ?」
「「「なにぃッ!?」」」
「だ、だってナギの息子は十歳で……って、変身魔法か。あの年で見事なもんだ。」
「そりゃぁなぁ……。愁磨直伝だからな。」
「"アーカード"、の………?」
と言ったところで、急に部屋の温度が下がった事に気づく。
その出所は・・・セラス。あー、そうだったすっかり忘れてた。そういやこいつあの一件から
愁磨の事めちゃめちゃ嫌いだったな・・・。
「あ、は、ははははは!なんじゃつまらん、それでは優勝はあやつで決まりではないか。
ナギの息子でシュウマに魔法を教わったのでは強いのは当たり前じゃ。」
「あら……その言い方は彼に対して公平を欠くわね。」
「……ふふ、そうだな。」
あいつの頑張りを知ってる俺は、余計それが分かる。そして、今の限界も。
あのままダラっと戦ってたんじゃフェイト達にゃ対抗できねぇ。
「それに、優勝があいつで決まりってのもどうかな、わかんねぇぞ?」
「ん?なんでじゃ?」
「なんつーか、俺もちょっと本気で興味が出てきてな。さっきこの大会にエントリーして来た所だ。」
次の瞬間起こった叫び声は、闘技場の空を貫いたとか貫かなかったとか。
Side out
「ふぅぅん、ジャックのコネならエントリー出来るのねぇ
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