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サマーガーデン
第六章
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第六章

「わかったわね」
「ええ、それじゃあ」
 こう話をしてだった。サリーは日本に向かう用意をはじめた。彼がいる場所はもう既に彼自身から聞いていた。後は手続きをしてそこに向かうだけだった。
 その準備をしながらこの日はだ。晴れたのでそれで庭の手入れをしていた。白い光に緑の庭が照らされている。しかしそこにいるサリーの顔は浮かないものだった。
 愛犬も同じだった。その主の傍で寂しい顔をして寝ている。そんな状況だった。
 その彼女の傍にだ。誰かが来た。庭の向かいにあるその道にだ。
 そしてこう声をかけてきたのだった。
「あの」
「えっ!?」
 聞き慣れた声だった。だからこそ我が耳を疑ったのである。
「その声は」
「実はですね」
 思わず顔をやるとだった。彼がいた。彼は照れ臭そうに笑ってそこにいたのだ。
「日本に戻るのは父だけになりました」
「お父さんだけですか」
「はい、日本に戻るっていっても何かすぐにこっちに戻るってことになりまして」
「お話が変わったんですか」
「そうなんです」 
 こうサリーに話すのだった。
「それで」
「そうだったのですか」
「あの、それでですね」
「また。こうしてですね」
「お話しても宜しいですか?」
 サリーへの言葉だ。
「また」
「はい、ただ」
「ただ?」
「今まではこうして木を挟んで、でしたよね」
 サリーからだ。こう言ってきたのだ、
「これまでは」
「ええ、それが」
「ですがこれからはですね」
「どうだというのですか?」
「中でお話しませんか?」
 穏やかに笑ってだ。京介に話す。
「これからは」
「中といいますと」
「お庭の中です」
 そこでだというのだ。
「そこで。どうでしょうか」
「お庭で、ですか」
「はい、石上さんさえよければ」
「リーマンさんさえよかったら」
 京介もだ。ここで応えて言った。
「御願いします。そうですね」
「何か?」
「いえ、何もありません」
 言おうとしてだ。止めた京介だった。
「失礼しました」
「あっ、そうですね」
 だがここでだ。サリーは言った。自然と言葉が出たのだ。
「これからお話されるのなら」
「お話するのなら?」
「もう姓で呼び合うの止めませんか?」
 こう京介に言ったのだった。
「お庭でゆっくりとお話するのですし」
「それならですか」
「はい、まず私はですね」
「サリーさんですね」
「そう呼んで下さい。そして」
「僕のことは京介と呼んで下さい」
 サリーが言うより先にだ。彼から言ってみせたのである。
「それで」
「わかりました。それではそれで」
「御願いしますね」
「それなら。京介君」
 穏やかな笑みと共に呼んでみたサリーだった。
「これからあらため
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