暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
本編
第七話
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いうと?」
「恐らく、この組織の背後には『ルチアーゼ連邦国』が関係しています」

ルチアーゼ連邦国とは、シャイロン王国と海を挟んで隣に位置する、広大な大陸に複数の小国が集まってできた連邦国家である。

「昔からあの国がよく使う手法です。戦争や内乱などで他国の治安が悪化したところで、すかさず大量の麻薬を密輸して、その国の外貨を貪れるだけ貪る。あの国はそうやって力をつけて、周りの国を次々と併合していったのですよ」
「なるほど。さらに悪いことに、バルハーツは『現地統治型管理世界』。その組織が国家ぐるみで秘匿されている以上、摘発は管理局と言えども、正攻法では難しいですね」

ここで、『現地統治型管理世界』と言う言葉について言及しておこう。

通常、管理世界と言うものは管理局が統治しているが、当然のことながら例外も存在する。

それが『現地統治型管理世界』である。管理局の発足以降、新しく発見された次元世界には、一定以上の文明水準を誇り、すでに現地に政府を持っていることもある。そういう世界の場合、元々存在した政府を撤廃し、新たに管理局がその世界を統治しようとすると、大混乱が生じ、最悪、旧政府と管理局との間で戦争が起きかねないため (実際に、時空管理局が発足したばかりの頃、新しく発見された次元世界を強引に統治しようとして、その世界を滅ぼしかけたことがあった) 、現地の政府にそのまま統治させているのである。

『現地統治型管理世界』は管理局の庇護下にありながら、強い独立権を持つため、その世界の政府が内政不干渉を訴えれば、管理局と言えども、迂闊には手が出せないのである。(過去の前例があるため、もしも強引に手を出せば、管理局は多くの次元世界から『侵略者』とバッシングを受ける羽目になる)

つまりは、いかに管理局が明確な証拠を持ち、違法組織を摘発しようとも、ルチアーゼ連邦国が『これは我が国の問題であり、管理局が感知することではない』と主張されてしまえば、内政不干渉とされ、違法組織を摘発できないのである。

この問題を正攻法で解決するには、シャイロン王国とルチアーゼ連邦国による政治的交渉しかない。

しかし、シャイロン王国内に存在する売人をいくら逮捕したところで、それは末端中の末端。大本がルチアーゼ連邦国に存在する組織を壊滅させることはできず、かと言って、交渉で解決しようにも、反乱の影響で国力を著しく欠いているシャイロン王国が、強大なルチアーゼ連邦国にいくら訴えても、取り合って貰えない。

仮に、シャイロン王国内に密輸された全ての麻薬を強制的に回収し、処分してしまえば、それこそ戦争の口実となってしまう。(かつて、中国が清と呼ばれていた時代に起こった『アヘン戦争』のように)

さすがに、そのような事態に陥れば、管理局も介入できる大義名分
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ