魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方5
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を使えなくとも、ユーノがいればまだどうにかなる。
「驚かないの? 私、凄く驚いたのに……」
納得していると、なのはが不満そうに言った。
「魔法使いが姿を変えられるくらいで驚いてたら身が持たないぞ」
問題は、温泉宿の時に恭也達がそれを知っていたかどうかだ。なのはの事だから、下手をすれば女湯に連れ込んでいきかねない。となると、必然的に被害は忍や美由紀達――それこそ、桃子にも拡大しかねない。もっとも、
(まぁ、子どものやる事ではあるけどな)
あと数年後ならまだしも、今の時点では目くじら立てるような事でもないか。なのはと同い年程度のユーノを見やり、肩をすくめる。それでも、恭也や士郎が知った時の反応はひょっとしたら見ものかもしれないが……それはこの一件にケリをつけてからゆっくり確認するとしよう。しかし、
『どうでもいいけどよ、相棒。あんまり色物系の魔法を増やすなよな』
魔法生物を作成するのではなく、自身が小動物に化けるというのも、ある意味便利かもしれない。例えば侵入工作や情報収集では使い勝手がよさそうだ。真面目に研究してみるべきだろうか――などと考えていると、リブロムに釘を刺された。色物系とは酷い言われようだ。ユーノも可哀そうに。
しかし、この少年がユーノだとするなら、何故管理局から離反しているのか……いやまぁ、好都合だからこの際どうでもいいか。リブロムが何も言わないところを見ると間諜の類という事もあるまい。
「まぁ、話は戻すとして。アルフは重傷を負っているらしい。やったのは十中八九プレシアだろう。となると、フェイトだって無事だとは考え辛いな」
もっとも。俺がジュエルシードを保有している以上、プレシアにとってもあの娘の利用価値はまだ残っているはずだが。陰鬱な気分で呻く。
「……えっと、アルフさんは今どこにいるの?」
無事ではない。その言葉に、なのはの表情が強張った。とはいえ、他に言葉を飾る方法もなければ、飾ったところで意味もない。最悪はすでに殺されている可能性もありえる。
もっとも。あの女が今あの子を殺す程に愚かだとも思えないが。
「どうやらアリサが拾ったらしい。見た目はでっかい犬だからな。落ち着くところに落ち着いたって事だろ」
何せ彼女の屋敷は犬屋敷だ。それこそ、月村の猫屋敷といい勝負である。
「じゃあ、今はアリサちゃんの家にいるの? それとも病院?」
「アリサの家のようだな。管理局とプレシア・テスタロッサ。こいつらより先に彼女と合流しないとならない。口封じでもされたら打つ手がなくなるからな。それに、俺だってアリサ達を巻き込むのは本意じゃない」
もっとも、今さらあらゆる意味で手遅れだとも言えるが。とはいえ、こんな形での接触まで防止できる訳もなく――仮に出来ていたらその時点でアルフの命は失われ、俺もまた身動きが
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