魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方5
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勝手に想像してくれ」
肩をすくめてやると、さすがのクロノも沈黙した。その隙に言葉を進める。
「お前達が介入してきたのはその直後だ。三つで諦められるっていうなら、もっと早い段階で俺に接触してきたはずだ。フェイトは俺が三つ持っている事を知っていたし、それはプレシアにも伝えたらしいからな」
というのは、さっきアルフから聞いた事だったが。ついでに言えば、アルフがそれを伝える事でようやくフェイトは折檻から解放されたらしい。多少なりと役に立てたということなのだろうか。
『なるほど。それなら、今あなたとなのはさんが持っているジュエルシードを狙ってやってくる可能性は高いわね』
「そういう事だ。ついでに言えば、禁術を目撃したあの女が真正面から仕掛けてくるとは思えないな。単純に考えれば、俺の相手にはフェイトをあてがってくるだろうさ」
単純に自分では動きたくないのか。それとも何か動けない理由でもあるのか。どちらでもいいが、あれだけの力を秘めていながらあの魔女は酷く奥手だ。いきなり真正面から仕掛けてくると言う事はあるまい。
「フェイトとアンタを戦わせる気だってのかい?! あのクソ婆ぁ!」
怒声を上げたのはアルフだった。とはいえ、実際のところ怒りを覚える場面ではない。むしろこちらにとっても好都合だ。
「プレシアにとって、フェイトにはまだ利用価値がある。その価値を無視して殺してしまうほど、彼女は愚かではないだろうさ。それが理性による判断かと言われると困るがな。だが、理由なんて何でもいいんだ。生きてこの世界にいてくれるなら、まだ保護出来る可能性だって残っている。重要なのはそこだけだ」
そこだけなのだが……問題はここからだった。そして、その問題を有しているのは他の誰でもなく俺自身である。
「だが、内容が何であれフェイトはプレシア・テスタロッサの指示に従うだろう。となると、フェイトと一戦交える事は避けられないと考えた方が無難だな」
『説得はできないかしら?』
「難しいな。少なくとも、俺には無理だ。というより、この中で一番身近なアルフですら無理だった時点でほぼ不可能と考えていいだろう」
というより、急に現れた他人が少しばかり言葉をかけた程度で説得できるなら、とっくの昔にフェイトは自分で逃げ出しているはずだ。相手の覚悟を砕くには、こちらにも相応の覚悟がいる。
「でも、こう言っちゃなんだけど……アンタだったら楽にあしらえるだろ? っていうか、実際にアタシもセットであしらわれた訳だし」
言ったのはアルフだった。だが、残念ながら期待には添えない。
「あの日はな。だが、今は無理だろう」
というより、やめておいた方が無難だ。
「何でさ? 別にアタシもフェイトも秘密の特訓とかしてた訳じゃないよ?」
「そんな事は知ってるよ。そうじゃなくて、戦闘中に俺が衝
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