魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方5
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フの情報を元に捜索してみたが、すでに別の場所に移った後だった。そこを中心に捜査範囲を広げているが……まだアースラも本調子とはいかないからな』
すぐ近くに、もう一つ別の魔法陣が浮かび上がる。映し出されたのはクロノだった。
「アルフの話からすればかなり大きな屋敷らしいが、そんなものが移動できるのか?」
時の庭園。それがプレシア・テスタロッサの根城の名前らしい。まぁ、名前などこの際どうでもいい。問題はその場所だ。
『もともと漂流に近い状態にあるようだからな。そう難しい事じゃない』
かの魔女は何と世界と世界の間に住んでいるという。これまでも色々とかっ飛んだ個性を持つ魔法使いどもと出くわしてきたつもりだったが――どうやら、まだ驚く余地はあったらしい。まぁ、俺自身も個性云々で人の事はとやかく言えないが。
「となると、向こうから出てくるのを待つしかないか」
「で、でも……その、そんな時間はあるの?」
呟くと、なのはが恐る恐る言った。俺が俺でいられる時間はもう残り少ないが――それを食いつぶすほどの時間がかかるとは思っていない。というより、
「おそらく、だが。フェイトはすでにこの世界に戻ってきているよ。どこにいるかと訊かれると困るけどな」
「何でそう思うのさ?」
訊いてきたのはアルフだった。肩をすくめて答える。
「アースラだったか? こいつらの船が本調子になる前に戻っていないと、出た瞬間補足される事になりかねないからな。それは、プレシアの望むところじゃあないはずだ」
「……そりゃそうかもしれないけど。なら、何でアタシ達のところに帰って来ないんだい?」
『そりゃオレ達が……つーか、オマエらが管理局と一緒にいるからだろ。軍門に下ったと思われたとして、何か不思議があるか?』
「あ〜…。そりゃ全くないね」
リブロムの言葉に、アルフがぐったりと項垂れる。
『あの娘――フェイトさんが戻って来ない。つまり、プレシア・テスタロッサが現在保有しているジュエルシードだけで満足したという可能性は?』
「ないな」
リンディの問いかけにきっぱりと答える。断言されるとは思っていなかったのだろう。リンディのみならずクロノも驚いたような顔をした。
『断言する根拠は何だ?』
「お前達が介入してきてから、アルフ達が集められたジュエルシードは三つしかないからだよ」
『それがどういう根拠になる?』
ちらりとなのはを見やる。妹の前で説明するのは色々と気は進まないが、ここで黙っていても仕方がない。ため息をついてから続ける。
「俺がアルフ達と出会う前に持っていたジュエルシードの数が三つだったからだ。フェイトは五つ回収した時点で一度報告に行ったが……まぁ、お気に召さなかったらしい。こっぴどくやられて帰って来たよ」
『やられて?』
「その辺は海での出来事から
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